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Author:takayou
名古屋在住の35歳男性です。ソウル、ソフトロック、ポップスの、ややマニアックな名盤を紹介します。やはり良い音楽は、CDやLPとして持っておきたいものですね。


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PAUL McCRTNEY その2

Wild LifeWild Life
(1993/06/10)
Wings

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ポールのビートルズ脱退後3作目で、Wingsとしては1作目。71年発表。
このアルバムは、わずか3日ほどで製作した、いわばやっつけ仕事的なもので、そのラフなアレンジに対して評論家達の評価は非常に低いものでした。しかし、ポールらしいメロディーの良さは随一で、僕はオーバープロデュースしてしまうよりも、ポールのメロディーという「素材の味」というものを存分に楽しめるのではと思っています。また、本作の特色として美しいメロディーの他に、悲しく切ないメロディを持つ曲が多いということも言えるでしょう。
「MUMBO」はラフな即興のロックンロール。「BIP BOP」はシンプルなブルース進行の曲ですが、最後に一捻りあります。「All together now」のようなノベルティタッチが微笑ましい曲。「LOVE IS STRANGE」は、ミッキー&シルヴィアのカバー。次のタイトル曲「WILD LIFE」は、8分の6拍子のスローマイナーブルージーバラード。悲しく重いメロディラインも印象的ですが、ポールの鬼気迫るヴォーカルが胸を打ちます。本作からもわかるとおり、彼はエコロジストのパイオニアでもあるのです。最近、ポールは週に一日は肉食を断つという、「ミートフリーマンデー」を提唱しています。「SOME PEOPLE NEVER KNOW」は妻リンダの美しいコーラスが素晴らしいバラード。非常にやさしいメロディーです。次の「I AM YOUR SINGER」もリンダとのデュエット。ジョン・レノンの名作バラード「LOVE」に匹敵する美しくかつキュートなメロディーと歌詞です。半音ずつ下がっていくコード進行が斬新です。「TOMORROW」はビートルズ時代の「YESTERDAY」のコード進行を引用したという、ポールらしいアイデアのミディアムバラード。やはり美しいメロディー付です。「DEAR FRIEND」は、ジョンのことを歌ったという説があります。ほとんどピアノの弾き語りによる、重く悲痛な曲。
ボーナストラックの「GIVE IRELAND BACK TO THE IRISH」は政治的な曲。北アイルランドの「Bloody Sunday」を批判した歌。「MARY HAD A LITTLE LAMB」は一転して童謡。このような曲も書けてしまうという事実に彼の天才を感じてしまいます。
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オフコース その4

Three and two(紙ジャケット仕様) Three and two(紙ジャケット仕様)
オフコース (2005/03/24)
東芝EMI
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1979年の8枚目(ベスト盤を除く)。タイトルとおり、3人がメンバーに加わり、よりロック色が強くなり、AOR調の路線を歩み始めた頃のアルバムです。
①の「思いのままに」は、アカペラコーラスから入る小田さんの曲。小田さんのヴォーカルも以前と比べて力強くなったことがわかります。間奏のギター、キーボード、ベースのユニゾンのリフがかっこいい曲です。②の「恋を抱きしめよう」は鈴木さんの曲。「思いのままに」がヘヴィーだったのに比べ、こちらは16ビートの軽快でファンキーな曲。鈴木さんのセンスが光ります。③の「その時はじめて」は、小田さんのヘヴィーな3連のミディアムバラード。ギターもディストーションを効かせています。「時間をとめて」という歌詞のあとでブレイクが入るのがナイスアレンジ。④の「歴史は夜つくられる」は、「INVITATION」「通りすぎた夜」から連なる、鈴木さん得意のナイトアダルト路線。⑤の「愛を止めないで」は、オフコースの誇る名曲。ピアノの弾き語りからはじまる歌いだしから、サビで一気に爆発する開放感が最高です。また、サビ前のメロディが1番と2番で微妙に変えてあることにも計算高さを感じます。歌詞の点でも工夫がしてあり、例えば、2番の歌詞で「君の人生が ふたつに分れてる そのひとつがまっすぐに ぼくの方へ」とあり、それに呼応してラストで「ぼくの人生が ふたつに分れてる そのひとつがまっすぐに…」で終わるというもので、…の部分を語らずに終わってしまうのが、小田さんらしいと言えます。これは推測なのですが、ビートルズの「LET IT BE」のサビのコード進行を逆にすると、この曲のサビのコード進行に似ているので、参考にしたのかなと思いました。メロディーラインも何となく似ていますし。この曲のメロディーラインのポイントは、サビの部分で各パートの終了音と開始音が同じキーであり、しりとりのように流れていくことで旋律の流れと美しさが引き立つようになっていることです。これはポール・マッカートニーの必殺技ですが、ここにもビートルズの影響を見ることができます。⑥の「SAVE THE LOVE」は鈴木さんの組曲風のハードな大作。アメリカンプログレを連想させる展開です。⑦の「汐風のなかで」は鈴木さんのさわやかな名バラード。この曲は、鈴木康博の曲の中でもベスト5には間違いなく入るでしょう。⑧の「愛あるところは」は小田さんの曲。印象は少し薄いのが残念。⑨の「生まれ来る子供たちのために」も有名なバラード。櫻井和寿や佐藤竹善のカバーでも知られます。シングル曲なのに、従来の曲の1番、2番…といった構成をとらなかったのが画期的で、ツェッペリンの「天国への階段」のような構成です。また間奏の松尾さんのハーモニカも絶品です。これはあくまでも推測なのですが、この曲のコンセプトはマーヴィン・ゲイの「SAVE THE CHILDREN」を参考にしたのではないでしょうか。全体的なアレンジの雰囲気や、「語り」が入るところなどに共通部分が見られるからです。参考までに彼らは「WHAT'S GOIN' ON」をライヴアルバムでカバーしたこともあります。
ちなみに、この頃のオフコースは、初期ビートルズのようにシングル曲をアルバムに収録しない場合があり、例えばイーグルスの「呪われた夜」を思わせる「風に吹かれて」や、ブレイク曲の「さよなら」、隠れた超名曲「やさしさにさようなら」、「Christmas Day」などはベスト盤などにしか収録されていないので注意してください(ビートルズみたいに「パストマスターズ」を作ってくれないかな)。

THE O'JAYS その3

サバイバル(生存者)サバイバル(生存者)
(1994/01/21)
オージェイズ

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1975年発表。プロデュースは、ギャンブル=ハフ。レコーディングはシグマスタジオで、演奏はM.F.S.B。
①の「GET THE PEOPLE WHAT THEY WANT」は、バリバリのファンク。躍動感のあるベースのリフ。Pファンクにも匹敵するような最高にカッコいい曲です。②の「LET ME MAKE LOVE TO YOU」は、いかにもフィリーという感じの雄大なバラード。彼等の全キャリアの中でも最高の部類に入る大傑作です。エディ・リヴァートのリードに心を動かされます。レジーナ・ベルがカバーしていました。③のタイトル曲もリフが印象的なファンクチューン。④の「WHERE DID WE GO WRONG」は、ウォールターのリード。エディのような荒々しさはありませんが、ソフトな歌い口は好感が持てます。⑤の「RICH GET RICHER」は、ゲットーもののファンキーな曲。ダイナミックなフィリーソウルの王道を行くバックに、エディとウォルターの掛け合い。そこにウィリアム・パウエルのベースが重厚さを添えています。歌詞も痛烈な社会批判を繰り広げており、これも彼等の最高傑作の1つと言ってよいでしょう。⑥の「HOW TIME FLIES」はスローバラード。⑦も曲としてはイマイチ。

NICK DRAKE その2

ピンク・ムーン ピンク・ムーン
ニック・ドレイク (2000/11/01)
ユニバーサルインターナショナル
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彼の生前最後の3枚目のアルバム。すでに彼は神経を病んでいたそうです。しかしアコギ一本のみの伴奏でほぼ作られたこの作品には、静謐と諦めと絶望とが混じった感情があふれてきて涙が止まらなくなります。詩人、中原中也の晩年期の絶唱「冬の長門峡」の境地といえるでしょうか。
①の「PINK MOON」。すでに彼には月が「PINK」に見えているのです。「ピンクの月」はその存在のまま絶対である。彼の人生と重なってくるような歌詞です。さらに⑦の「KNOW」の歌詞

Know that I love you
Know I don't care
Know that I see you
Know I'm not there

彼のこころはすでに彼岸にあるのでしょうか。伝説のブルースマン、ブラインド・ウィリー・ジョンソンを思い起こさせるような深い曲です。⑨のようなかなしいブルースを私はいまだかつて聴いたことがありません。

ニック・ドレイクの伝記もぜひ読んでみてください。


ニック・ドレイク―悲しみのバイオグラフィ ニック・ドレイク―悲しみのバイオグラフィ
パトリック ハンフリーズ (2004/12)
ストレンジデイズ
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NEIL YOUNG その2

ニール・ヤング・ウィズ・クレイジー・ホース ニール・ヤング・ウィズ・クレイジー・ホース
ニール・ヤング、クレイジー・ホース 他 (2005/09/21)
ワーナーミュージック・ジャパン
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前回に引き続き、勢いでニール・ヤングで行ってしまいます。今回はソロ2作目です。
①は有名かつ名曲ですね。ニール独特のコード進行が相変わらず光ります。

D Am C G D

CRAZY HORSEを引き連れての演奏となり、前作と比べてかなりハードとなりました。ニールの弱々しいヴォーカルも力強さを増しています。②はカントリータッチの曲。③は三拍子の不思議な曲。ニールの声で三声コーラスをつけられると、ある意味不気味なものがあると思うのは私だけでしょうか。このアルバムは長い曲が多く、A面4曲、B面3曲で、それだけ自分の曲に自信が出てきたのでしょうか。④も9分強にわたる長尺曲。この時代によく見られたサイケデリックマイナーコード進行、Em7→A7の繰り返しでニールの長いギターソロを聞くことができます。それにしてもこの人のギターは本当に独特です。リズム感があるようでないような、考えているようで考えてないような、めちゃくちゃなようで計算されているような、下手なようで上手いような、本当にこの人独特です。ヴォーカルも素晴らしく、このアルバム最大のハイライトとなる曲です。⑥は非常に暗い曲。ヴァイオリンの音色が切なく響きます。⑦も10分強にわたる曲。イントロおよび間奏のAm→Fのコードの繰り返しでニールが例のギターソロを弾きまくります。ギター、ヴォーカルともに、ニールのエッセンスがすべて出揃った名曲です。アルバム最後の曲は、このようにたいてい重くて長い曲が多いですね。
次のアルバム、「AFTER THE GOLDRUSH」はもちろんニールの最高傑作ですが、そこへの布石がこのアルバムには出揃っています。ここでの試行錯誤が次のアルバムへとつながったのではないでしょうか。
なお、本作以降の「ゴールドラッシュ」や「ハーヴェスト」はどのガイドブックでも紹介されているような名盤ですので、本ブログではあえて御紹介いたしません。あしからずご了承ください。

MYSTIQUE

Mystique Mystique
Mystique (2000/04/24)
Sequel
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1977年にシカゴのカートムから発表された彼ら唯一のアルバム。プロデューサー陣がなんとジェリー・バトラーバニー・シグラーなどで、シカゴとフィリーの両方のエッセンスが入っています。しかもジャケットにはエグゼクティヴ・プロデューサーとしてカーティス・メイフィールドの文字が(どこまでカーティスが関与したかは定かではありませんが)。リードはリロイ・ハトソンの後釜に入った元インプレッションズのラルフ・ジョンソンで、なかなか力強く伸びのある歌声を披露してくれます(2オクターブ上のC音を地声で軽く出しちゃいます)。ストリングスのアレンジも全体を通して流麗で素晴らしいといえます。先日ご紹介したモーメンツと比較すると雲泥の差があります。
①はいきなりスリリングなナンバー。サビに入るところのストリングスのこみ上げがたまりません。アレンジはフィリーっぽいのですが、メロディーに媚びがないところにシカゴの意地を感じます。カーティスばりのギターのチャカポコ・ワウが実に効果的。②は美しいハーモニーから入る曲で、出だしが「MY WAY」に似てます。③もコーラス、ストリングスの美しいハチロクのバラード。この辺のアレンジはTOTOなどのAORにある意味通ずるものがあります。④は高速ディスコ。歌やコーラスが素晴らしいので、その辺の凡百ソングとは明らかに一線を画しています。ベースラインが最高。⑤もいかにもフィリー・ディスコといった曲。ただ、メロディーラインがフィリーほど甘くありません。⑥も秀逸なバラード。ラルフのヴォーカルの実力を見せつけてくれます。⑦はマイナー調のバラード。コード進行が変っている曲です。⑧はアコギのカッティング(DM7→GM7)から始まるメローな曲。⑨からはボーナストラック。しかしこれがまた結構良い。なかでも⑪は強力ファンクの傑作。⑫も美しいベースラインが印象的なミディアムファンク。
本作はコーラス、リズムのノリ、ストリングスのアレンジ、どれをとっても素晴らしいアルバムです。シカゴのビターさを少し加えたフィリーソウルといった感じの大名盤です。


Mystique - Curtom Soul Trippin - Fill You Up

オフコース その8

オフコース・グレイテストヒッツ 1969-1989オフコース・グレイテストヒッツ 1969-1989
(1998/05/21)
オフコース

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彼等の全シングルA面の曲を網羅した3枚組。アルバムに収録されていないシングルのみの傑作もここで聞くことができます。欲を言えば、ビートルズの「パストマスターズ」のように、アルバム収録曲以外のシングルB面なども網羅した企画も是非検討していただけると有り難いのですが。個人的にはシングルB面の「CHRISTMAS DAY」が好きなので。今回はそういうわけで、シングルのみで発表された曲についてのみのご紹介です。
1枚目:①~③は、プレ・オフコース時代の曲。③の「おさらば」は自作なのですが、ビーチボーイズの「GOOD VIBRATIONS」の習作の域を出ていません。しかし、日本でこの曲に挑もうとしたのは、この時代では彼等と山下達郎だけだったでしょう。⑥の「忘れ雪」は筒美京平の三拍子の曲。自作の曲ではないと言う事で、彼等にとっては「忘れ」たい一曲だったようです。⑩の「こころは気紛れ」は、アルバムとアレンジが異なります。⑫の「ロンド」は、鈴木康博作&ヴォーカルの唯一のシングルA面曲です。
2枚目:①の「やさしさにさようなら」は、ミディアムナンバーの傑作。日本におけるソフトロックの究極がここにあります。分厚いコーラスから入るイントロ。FからDに転調した瞬間にヴォーカルが入ります。コード進行は、オーギュメントやSUS4を多用し目まぐるしく変っていきます。16ビートを軽く取り入れたメジャー調のメロディーなのですが、サビはマイナーコードで終わっているので、そこはかとない切なさも感じられます。個人的に大好きな曲のひとつ。④の「風に吹かれて」は、イーグルスの「呪われた夜」を髣髴させる重厚感のあるナンバー。⑤の「さよなら」は彼等最大のヒット曲。彼等の曲を通して聞いてみると、この曲が他の曲と比べて浮いていることがわかります。従来の小田和正にはないウェットな作風なのですが、「売れるためにこの曲を作った」というコメントを聞けば、その理由がわかります。良くも悪くも彼等に対するステレオタイプを作ってしまった曲。よく聞くと、リズムギターがホテルカリフォルニアのように、ややレゲエっぽい感じです。間奏のギターソロもイーグルスのようにツインでハモっています。
3枚目:④の「call」は、ヘヴィーなギターをフィーチャーした曲。あまり彼等にはこのようなアレンジは向いていないと思うのですが。メロディラインは悪くはないのに。⑤の「たそがれ」は後期の名曲。ピアノの美しいミディアムバラード。都会の夕暮れ時を思わせる無機的なアレンジが絶品です。サビのところでDからAに絶妙に転調します。また、サビでは主メロに対して、カウンターパートのヴォーカルラインも入るという凝った展開になっています。⑥の「夏から夏まで」は、正直言って駄作だと思います。。ピコピコしたアレンジは今は聞くに堪えません。

ふきのとう その4

風待茶房風待茶房
(1991/05/15)
ふきのとう

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ふきのとう初期の大傑作。
①の「やさしさとして想い出として」は、彼らの代表作の1つとされている三連バラード。別れの曲ですがさわやかな印象です。②の「街はひたすら」は、マンドリンのトレモロが切ない儚くて美しい一曲。③の「作品A」は、アコギのスライドが素敵な三拍子の曲。このころの彼らの曲には、ところどころアメリカンルーツの影響が感じられるような気がします。④の「君は人形」。S&Gのようなややハードフォークロックっぽいアレンジが新鮮。⑩の「風の船」は、彼等らしい、さわやかな曲(失恋の曲ですが)。間奏で転調するところやフレットレスベースの響きが絶妙にお洒落。そして、⑪の「運命河」。ふきのとう最大の傑作のひとつと言っても過言ではありません。特攻隊のことをうたった歌として、あまりに有名です。イントロの切ないマンドリン。細坪さんの一世一代の心のこもったうた。2番が終わったところの間奏で、いったん長調に転調しますが、この部分が幸せだった日々を回想させ、さらに聞く者の涙をそそります。このアルバムは、この一曲を求めて購入しても損はありません。もしこの曲が『永遠の0』の主題歌だったら、あなたの涙もきっと止まらなかったはず。⑫の「朝もやの中」は、⑪の後では一見軽い感じの曲ですが、なかなかどうして素晴らしい曲です。

オフコース その2

SONG IS LOVE(紙ジャケット仕様) SONG IS LOVE(紙ジャケット仕様)
オフコース (2005/03/24)
東芝EMI
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1976年の5枚目。前作の「ワインの匂い」が初期の超名盤であったために印象が薄いですが、本作の垢抜けた「シティーポップ」ぶりは他のアーティストの作品を軽く凌駕しています。
①の「ランナウェイ」は鈴木康博の曲。初期イーグルスを思わせる、軽快でさわやかなウエストコースト風の曲。しかし、リズムやコードの使い方などは、ビートルズの「GET BACK」なのです。この時代にこのサウンドは、かなりお洒落だと思います。コーラスもビーチボーイズ風で最高。木魚のパーカッションもいい味出してます。②の「ピロートーク」も鈴木康博の曲。ナインスやメジャーセヴンス、ディミニッシュなどを多用したコード進行、アンニュイな感覚。ジャジーな曲調。この時期のヤスさんのアレンジは、確かにずばぬけたものを持っていました。③の「こころは気紛れ」は小田さんのキャッチーな曲。シングルヴァージョンと比べ、アコースティック色が強いのが特徴。小田和正らしい繊細なメロディ。「ワインの匂い」と同様に、男女の対話調の独特の歌詞。④の「ひとりで生きてゆければ」は、小田さんによるマイナー調のスローな曲。彼らのアレンジはとても緻密で、ひとつひとつの音をとても大事にしていることがわかります。とても透明感のあるアレンジです。⑤の「ひとりよがり」は鈴木さんのアコースティックな小品。⑥の「青春」は鈴木さんの傑作バラード。ベースラインとフルートが印象的なドリーミーな曲。まさに日本のソフトロックです。キーがAmなのかEmなのかよくわからないコード進行です。⑦の「めぐる季節」は小田さんの作品。コーラスの美しいビートの効いたミディアムナンバー。この曲も素晴らしいソフトロックです。⑧の「おもい違い」は鈴木の楽しい曲。アコースティック版「レディ・マドンナ」っていう感じです。キャプテン&テニールやアメリカで有名な「マスクラット・ラブ」に影響を受けたような曲です。⑨の「青空と人生と」は、小田さんの美しいバラード。⑩の「恋はさりげなく」は鈴木さんの三拍子の曲。アダルトなアレンジがセンスの良さをあらわしています。彼は、この後もしばらくアダルト路線の曲を多く作っていきます。⑪の「冬が来るまえに」は小田和正の組曲風の壮大なバラード。ストリングスアレンジやコーラスも非常に美しい曲です。⑫の「歌を捧げて」は、小田さんのバラード。ハモンドオルガンの音が荘厳で、教会の中で聞いているような気がします。非常にメロディラインのきれいな曲です。「歌の贈りもの」を意識したタイトルだと個人的には思うのですが、真相はいかに。本アルバムは、小田さんの美メロと、鈴木さんのお洒落なアレンジが聞きものだと言えます。

オフコース

ワインの匂い(紙ジャケット仕様) ワインの匂い(紙ジャケット仕様)
オフコース (2005/03/24)
東芝EMI
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オフコース初期の名盤中の名盤。日本ソフトロック史に燦然と輝く金字塔。オフコースにとっての3枚目のスタジオアルバム。オフコースは後に松尾和彦など3人が加わりますが、それ以前の小田和正と鈴木康博とのデュオ時代にも捨てがたい魅力があります。5人の時代は、アメリカウェストコースト風のイーグルスやTOTOを思わせるAOR路線だったわけですが、2人の時代はA&Mなどのソフトロック路線に近く、近年のソフトロック再評価とともに、再び彼らの音楽が日本のソフトロックのさきがけとして見直されてしかるべき存在であると思います。オフコースの初期の音楽は、特に知的、学究的にもすぐれているものが多いのが特徴的です。ジャケ裏に譜面がついているサービスが時代を感じさせますし、個人的にはうれしい限りです。
①は、タイトルのように雨音のBGMから静かに入る曲。曲調がBmのマイナーコード曲なのに、出だし音だけがメジャーのBで入るところ、全体としてヨーロピアンな感じが出ているところがビートルズの「ミッシェル」を思わせます。ウッドベースのチョイスも渋い。最近の曲とはまた違った小田和正のソフトなヴォーカルも魅力的です。②は鈴木康博のアコースティックタッチな曲。③は西城秀樹のカバーでも有名な彼らの代表曲。ただ、このアルバムのなかでは異色なほどポップ。サビのコーラスは、今後のオフコース流コーラスの原型が聞けます。④も小田和正の美しい名曲。基本は3拍子なのですが、間奏で5拍子が入る変則的な進行です。コード進行もSUS4を交えながら半音で下がっていく独特の転調を繰り返しています。⑤もこれまた名曲。ユーミンに触発されてつくったという説もあります。メジャーセヴンスやナインスなどを多用したコード進行がおしゃれ。特筆すべきは小田和正の歌詞で、一人称で語られる話者の主体が女性と男性にめまぐるしく入れ替わるという、それでいて小田和正独特の象徴的歌詞が光るという逸品。話は変りますが、最近の小田さんの歌詞は変に饒舌になってしまっておもしろくありません。これも時代の流れでしょうか、聞き手のイマジネーションをくすぐる歌詞ではなくなってきています。この話題は後日あらためて行いたいと思います。⑥はふたたびヤスさんの曲。初期のオフコースのアルバムは、小田さんと鈴木さんの曲がほぼ半々でした。ただ、この辺の力関係はあのビートルズでも難しかったところ。やがて、ポールじゃないけど小田さんの曲が人気を得てくるようになります。⑦もヤスさんの曲。このアルバムでも正直言って小田さんの曲のほうが良い。ただ、アレンジャー、プレイヤーとしてのヤスさんの力量はすごいと思います。⑧は小田さんの小曲。途中で言われなければ分からないようなさりげない転調があるのがポイント。⑨はヤスさんのヘビーなナンバー。ウッドベースがかこいい。⑩は多くの人が名曲と称える曲。シングルカットもされていないのに、多くの人がオフコースのベストと賞賛しています。彼らにはもっと良い曲が他にもいっぱいあるんですね。⑪は小田さん、鈴木さんの共作。⑫はしみじみ胸に響く静かな曲。当初は「みんなのうた」のためにつくったそうですが、扱うテーマが「老人」と「死」では採用されるはずもありません。ということで、ソフトロックという文脈でこのアルバムを聞いてみると、この時代に日本でもこんなに先進的な音楽があったのかということに驚かされます。大瀧詠一、山下達郎、細野晴臣などとともに彼らは間違いなく当時の音楽シーンの最先端を走っていました。

オフコース その7

I LOVE YOU(紙ジャケット仕様) I LOVE YOU(紙ジャケット仕様)
オフコース (2005/03/24)
東芝EMI
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一時解散前のラスト作(おまけの「NEXT」を除く)。1982年の作品。この作品を機に、鈴木さんが脱退してしまいます。
①の「YES-YES-YES」は、ミディアムテンポのオフコースの代表曲のひとつ。フレーズごとにコード進行を微妙に変えていたり、サビの繰り返しのところで転調している小細工がにくいところです。カッティングのアコギも、ホテルカリフォルニアっぽい感じがします。オフコースの曲の中で、もっともキーが高い曲のひとつ。ライブでのこの曲に関するエピソードは伝説となっていますね。②の「素敵なあなた」は鈴木さんの曲。シンセ・ピコピコサウンドが時代を感じさせます。間奏のギターソロがカッコいい。③の「愛のゆくえ」も鈴木さんのバラード。サビでファルセットヴォーカルを聞かせます。曲としての完成度は残念ながらイマイチ。④の「哀しき街」は、小田さん作詞、松尾さん作曲、松尾さんリードヴォーカルの曲。無機的で都会的なアレンジが光る佳曲。復活後のサウンドを予見させるような感じの曲です。間奏のところでEmからCmに転調してサックスソロが始まる瞬間が気持ちよいです。⑤の「揺れる心…」は鈴木さんの夜のアダルト路線の曲。「INVITATION」、「通り過ぎた夜」、「歴史は夜つくられる」の路線です。ディミニッシュコードなどを使用したクールなアレンジです。⑥の「きっと同じ」は小田さんのアコギ小品。アコギは鈴木さんが弾いているそうです。⑦の「かかえきれないほどの愛」は松尾さんのミディアムでハートウォーミングなナンバー。カーペンターズの「SING」のように、子供のコーラスが入っています。⑧の「決して彼等のようでなく」はホーンセクションが導入されている異色作。ただ、歌メロが弱いので、あまり印象には残りません。全体の雰囲気の重厚さ、執拗な繰り返し、最後のカットアウトなど、ビートルズ(ジョン・レノン)の「I WANT YOU」を彷彿とさせます。深読みすると、この「彼等」はビートルズを指していて、「君」とはすでに脱退を表明していた鈴木康博のことではないかと思ってみたりもします。鈴木さんにたいして言いたいこともあるが、ビートルズのように仲たがいして別れたくない、「I WANT YOU」だよというメッセージがこめられているような気がします。⑨の「I LOVE YOU」はシングルで先行発売されたもののリメイク。こちらのアルバムバージョンの方が、クールなアレンジで好感が持てます。シンプルで余韻のある歌詞とメロディ。1番、2番、3番で全く違うメロディライン。複雑なコード進行。ある意味、オフコースの音楽の先進性が最も凝縮された曲とも言えるでしょう。
本アルバムは、一時解散前ということもありまとまりもなく、一般には評価の高いアルバムとはされていません。私もそのとおりだと思いますが、やはり①、⑨は大変な名曲だと思います。
このあと彼らは1984年に復活し、3枚のアルバムを発表しますが、次第に曲のクオリティが落ちていきます。「君が嘘をついた」、「夏の日」、「緑の日々」、「たそがれ」など佳曲も中にはあるのですが、「夏から夏まで」や「It's All Right」などの駄作も多くなってしまいます。

オフコース その3

JUNKTION(紙ジャケット仕様) JUNKTION(紙ジャケット仕様)
オフコース (2005/03/24)
東芝EMI
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1977年の6枚目。前作に比べてリズム感が強調されて、ロック色が強くなりました。
①の「INVITATION」は、鈴木さんの夜のパーティー風景を歌ったアダルト路線の曲。後の「通りすぎた夜」につながっていく路線のムーディーな曲です。②の「思い出を盗んで」は小田さんのさわやかな曲。過渡期の曲という印象が免れず、やや弱い印象ですが曲としては悪くないという感じです。③の「愛のきざし」は小田さんのワルツ調の曲。「ワインの匂い」や「雨の降る日に」のような、ヨーロピアン調の感じがします。この曲はなんといってもコード進行が複雑を極めます。例えば、

Am7 A♭7 G7sus4 CM7 Gm7 F#7 B♭M B♭M
Cm7 F7 B♭M7 Gm7 Cm7 Am7-5 D7-9

といった具合です。④の「潮の香り」は鈴木さんの名曲。葉山のシーサイドをドライブしているというシチュエーションのさわやかでお洒落な曲。この曲もなんといってもユーミンばりの変則コード進行とめくるめく転調が素晴らしい。

A♭ A♭M9 D♭m7 C♭M7 C♭m7 F♭7 Am7 D9 F9 E7

ときてAにつながり、いつのまにか半音上がっているという展開!お見事としか言うことができません。⑤の「秋の気配」は、オフコースの中でもベスト10には確実に入る名曲ですね。直線的なメロディライン、サビで一気に爆発するコーラス、メジャーセヴンスを多用したコード進行など、今後のオフコースの作風の原点を確立した名曲です。ボサノヴァっぽいギターや、清水さんが苦心したと言われる間奏のベースラインもオツです。小田さんのコード進行のパターンとして、J-POPにありがちな、ベース音が下がっていく安直なコード進行(カノンコードなど)やマイナーコードのⅦ#音をほとんど使用しないのが、洋楽っぽく聴かせる特徴だと思います。⑥の「変ってゆく女」は鈴木さんの曲。ツービートでジャジーな曲。このころの鈴木さんらしく、シティーポップ然としたアレンジです。⑦の「あなたがいれば」は、小田さんが作詞、鈴木さんが作曲、ヴォーカルが鈴木さんという珍しいパターンの曲。アダルトなバラードです。これも間奏でジャズのような展開になります。⑧の「恋人よ そのままで」も鈴木さんの曲。キーがA→C→E♭とめまぐるしく変っていきます。この曲もやはり、シャッフルのお洒落な感じの曲です。⑨の「HERO」は、小田・鈴木共作の組曲風の大作。友人がミュージシャンとして成功したが、それは「あいつの言葉じゃない」。自分を曲げて成功するよりも、歌を「恋人にささげる」方を選ぶ、といういかにも彼ららしい歌詞です。しかし、それもこの後に発表された「さよなら」の大ヒットで彼ら自身も悩むことになるのでしょうけれど。。。
本作は、小田さんの曲は「秋の気配」を除いては、あまりぱっとした印象がなく、どちらかと言えば鈴木さんのアレンジ面での冴えがみられます。オフコースでは数少ない鈴木さん主体のアルバムと言えるでしょう。

ERIC CLAPTON

There\'s One in Every CrowdThere\'s One in Every Crowd
(2007/07/10)
Eric Clapton

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75年発表。クラプトンはその時代時代でそれぞれの良さがあります。どれも捨てがたいのですが、個人的な好みでは、このアルバムとブラインドフェイスは特に大好きです。ソロでは、「461」や「スローハンド」などいくぶん華やかなアルバムに比べると、本作は渋さの限りを尽くしたものになっていますが、そこがまた良いのです。特にB面は名曲ぞろいです。アル中状態の当時、よくこんな名作を作ることができたと感嘆させられます。
①の「WE'VE BEEN TOLD(JESUS COMING SOON)」はトラディショナルブルースのカバーでブラインド・ウィリー・ジョンソンのバージョンで有名な曲。ウィリーのダミ声コテコテも好きだが、本作もエリックのレイドバックしたボーカルとアコギの音が気持ち良い。②の「SWING LOW SWING CHARIOT」はいわゆる「黒人霊歌」。レゲエ調のアレンジにしている。この曲もアコギが基調。③の「LITTLE RACHEL」いかにもタルササウンドっぽいレイドバックした曲。渋い。④の「DON'T BLAME ME」はモロにボブ・マーリーといった曲調と歌い方。⑤の「THE SKY IS CRYING」はエルモア・ジェイムズの有名なブルースのカバー。原曲は三連ですが、本バージョンでは4/4拍子で演奏されています。ボーカルの「The sky is crying…」といった呟きに近いボーカルから曲に入ります。オリジナルの張り裂けそうな演奏と歌と比べると、エリックの場合はレイドバックが諦観を漂わせている感じがします。⑥の「SINGIN' THE BLUES」でエリックは一番ギターを弾いています。ご機嫌なナンバー。⑦の「BETTER MAKE IT THROUGH TODAY」こそ渋さの局地。ある意味ワビサビに通ずるものがあります。アコギとオルガンの音色も最高。間奏に入るところで転調するのですが、ここでのギターソロも最高。⑧の「PRETTY BLUE EYES」はタイトル通り、ラブリーでアコースティックな曲。間奏のコーラスも意表をつく展開。⑨の「HIGH」はスライドギターが印象的な曲。どこかツェッペリンの「レヴィー・ブレイク」のリフに似ています。⑩の「OPPOSITES」もまた渋すぎる曲。禅問答のような歌詞がまた奥深いのです。

Night after day, day after night
Light after dark, dark after light
Fight after peace, peace after fight
Life after death, death after life

ジョン・レノンが書きそうな歌詞です。最後のエンディングはまるで天にも昇るような明るさと開放感があります。

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