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takayou

Author:takayou
名古屋在住の35歳男性です。ソウル、ソフトロック、ポップスの、ややマニアックな名盤を紹介します。やはり良い音楽は、CDやLPとして持っておきたいものですね。


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ROGER NICHOLS & THE SMALL CIRCLE OF FRIENDS

Roger Nichols & the Small Circle of Friends Roger Nichols & the Small Circle of Friends
Roger Nichols & the Small Circle of Friends (2005/02/21)
Revola
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何度この素晴らしいアルバムを聞いたことでしょうか。このアルバムについてのことばが見つかりません…。今となってはソフトロックの決定的名盤と言われていますが、まさにその通りで夢見心地にさせてくれるすばらしいアルバムです。さらに、ここにはオリジナルアルバム未収録のシングルがボーナストラックとして収録されています。これがアルバム収録曲以上に素晴らしいんです。
①の「DON'T TAKE YOUR TIME」からもう絶句。美しいメロディーとめくりめくコード進行にもうノックアウト。②はビートルズのカバー。③の「DON'T GO BREAKING MY HEART」はDAVID/BACHARACH作のとても美しいナンバー。まるで天井の世界へ誘うような甘いメロディーと美しいハーモニーです。④の「I CAN SEE ONLY YOU」はストリングスとアコギのアルペジオが美しいバラード。マレイ・マクリオードの中性的な優しいヴォーカルが魅力的です。⑤の「SNOW QUEEN」はキャロル・キングのカバー。これも素晴らしいハーモニー。ちなみにオリジナルのキャロキンバージョンも素晴らしい(CITY時代の「夢語り」に収録)出来で、キャロルの歌がサビの高音部のところでちょっとハスキー気味になるところがもう最高。⑥の「LOVE SO FINE」も素晴らしいラヴソング(これも私の披露宴BGMでした)です。特にサビに入るところの転調の劇的な美しさなんて涙無しでは聞くことが出来ません。サビでCメジャーからE♭メジャーへ転調するのですが、いきなりE♭ではなくA♭メジャーセヴンスに行くのがミソ。⑦の「KINDA WASTED WITHOUT YOU」は、PARADEの記事の時にお話ししましたね。⑧の「JUST BEYOND YOUR SMILE」。セヴンスから入るのでブルージーな曲かと思いきや、美メロに変っていくというこれまた素晴らしい曲。⑨の「I'LL BE BACK」は再びビートルズのカバー。⑩の「COCOANUT GROVE」と⑪の「DID'T WANT TO HAVE TO DO IT」はジョン・セバスチャンのカバー。原曲よりもややソフトな感じ。それにしてもこれもよい曲です。⑬の「燃ゆる初恋」はルビー&ザ・ロマンティックスのカバーでドリーミーな曲。モノラルなのが残念。⑰の「LET'S RIDE」も超キャッチーな名曲。ベースの流れがアクセントとなっています。⑱の「THE DRIFTER」も筆舌に尽くしがたい名曲。一見なんとも無いような曲に聞こえますが、このベース音の凝りかたは普通じゃありません。ブライアン・ウィルソンばりにあえてルートをはずしていますし、装飾音も手が込んでます。試しにベースだけ聞いてみてください。それからギターも。本当に素晴らしい曲です。ハーパス・ビザールや高野寛などもカバーしていました。⑲の「TRUST」もまた名曲。PAUL WILLIAMSのところでもお話しましたね。
ソフトロックの名盤は数多くありますが、真っ先に紹介したいのはやはりこのアルバムです(月並みですが)。
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ROBERT PALMER

Sneakin' Sally Through the Alley Sneakin' Sally Through the Alley
Robert Palmer (1990/06/15)
Island
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1975年発表の彼のデビュー作。そして、なんといきなりのニューオリンズ!しかもバックは、リトル・フィートやミーターズですよ。
①の「SAILING SHOES」はもちろんリトル・フィートの有名な曲。しかも、オリジナルよりもヴォーカル面では素晴らしい。80年代の彼のヴォーカルと比べると、声の伸びが全然違います。ブルーアイドソウルシンガーとしては、間違いなく彼は一流でした。③のタイトル曲はアラン・トゥーサン作の渋いナンバー。コード進行がB→B→E→Dと、ストーンズの「JUMPIN' JACK FLASH」を思わせ、なかなかのものです。⑤の「BLACKMAIL」はローウェル・ジョージとの共作。最高に渋すぎます。80年代にヒットした「恋におぼれて」なんかは良い曲とは思いますが、今聞くとちょっと古くさく感じてしまいます。しかし本作はほとんどそんなことを感じさせません。
それにしても、ニューオリンズサウンドはソウルミュージックとしては傍系の扱いであり、とてもやるせない気持ちを抱いております。個人的には、LEE DORSEYが大好きなのですが…。


Robert Palmer - Robert Palmer: At His Very Best


ベスト盤の試聴とダウンロードは ↓



THE RASCALS

ベスト・オブ・ラスカルズ(2) ベスト・オブ・ラスカルズ(2)
ザ・ラスカルズ (1997/07/25)
イーストウエスト・ジャパン
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ブルーアイド・ソウルの草分け、ラスカルズのベスト盤です。
②の「GOOD LOVIN'」はオリンピックスの曲で、原曲の持ち味はそのままに、というか出だしは原曲そのまんまなんですが、間奏部分にキーボードでモダンな感じを加えた好カバー。全米NO.1を記録しました。④の「COME ON UP」もオルガンの音色やマイナーコードなどに若干サイケな感じが漂っており良い曲に仕上がっています。⑤の「LONELY TOO LONG」はやや音が薄いですが、後期モータウンっぽい感じを目指したようなサウンドです。彼らは、「本物」の黒人に比べてどうしてもコーラスが薄くなってしまうので、サウンド面ではさまざまな工夫を凝らしているのがわかります。さて、⑥の名曲「GROOVIN'」。全米NO.1ヒットです。この曲になるともうブルーアイドソウルとか、そんなことはもうどうでも良くて、完全にラスカルズのサウンドとなっています。ラテン・パーカッションのリズムがさわやか。すぐ後にアレサ・フランクリンもカバー(超名作「LADY SOUL」に収録)しますが、これもめちゃめちゃかっこよい。さらに後年、山下達郎(「アルチザン」に収録)もカバーしました。⑨の「IT'S WONDEAFUL」は大分路線が変り、初めて聞いたときコーラスのところなんか、THE WHOかと思ってしまいました。⑪の「PEAPLE GOT TO BE FREE」は彼ら最大のヒットで5週連続全米NO.1を記録した曲。キャッチーなリフに親しみやすいメロディー。最後の「ンチャ、ンチャ…」がビートルズの「LOVELY LITA」っぽいです。⑫の「A RAY OF HOPE」はカーティス風のファルセットから入る、当時の民主党への応援ソング。⑪のタイトルといい、どうも当時彼らはカーティスに入れこんでいたような気がするのですが。⑮の「CARRY ME BACK」はチャート上では冴えなかったのですが、今聞くと結構良い曲なのであなどれません。⑰の「GLORY GLORY」はコーラスでスウィート・インスピレーションズ(ホイットニーの母親であるシシー・ヒューストンが在籍していたグループ)が参加。渋い佳曲です。

ザ・ドリフターズ

TBS テレビ放送50周年記念盤 8時だヨ ! 全員集合 2005 DVD-BOX (通常版) TBS テレビ放送50周年記念盤 8時だヨ ! 全員集合 2005 DVD-BOX (通常版)
ザ・ドリフターズ (2005/06/25)
ポニーキャニオン
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ドリフの名曲が、ソウルをベースにしていることは有名ですね。「ヒゲダンス」はテディ・ペンタグラスの「DO ME」(しかしヒゲダンスのギターのカッティングは雑すぎる!)。「早口ことば」はウィルソン・ピケットの「DON'T KNOCK MY LOVE」(後にマーヴィン&ダイアナがカバーする。「早口ことば」はこっちを元にしたような感じです。)、「東村山音頭」のイントロはバリー・ホワイトといった具合に。こうしてみると、どうもフィリー系が多いみたいです。フィリー系は筒美京平氏などを通じて、アイドル歌謡などにも導入されていたので、日本人にも受け入れやすい土壌があったのでしょうね。ちなみに筒美氏は「サザエさん」の曲のイントロも1910フルーツガムカンパニーの「BUBBLE GUM WORLD」をモロパックってます。志村けんのシャウトなんかもJBを明らかに意識したものがあって楽しめます。
話は変りますが、ドリフのコントは今見ても非常におもしろいですね。先日も涙を流して笑ってしまいました。今ふたたびお笑いブームですが、これほど笑わしてくれる芸人は他にいません。

ごあいさつ:私と音楽

私の音楽との出会いは、幼稚園のときにさかのぼります。当時は、ジュリーや岩崎宏美、ピンクレディなどが好きだったようです。小学校の低学年になると、雅夢や伊藤敏博、石川優子などが気になり、小学校の高学年になると「明星」という雑誌の付録の歌本をスミからスミまで熟読するような早熟の少年でした。中学生になるとギターを手に入れ、洋楽にハマり、FMのエアチェックを毎日のようにしていました。当時はギターの弾き方もわからなかったので、「明星」の付録の譜面を見て、単音で音を鳴らして弾いていました。私は誰に教わったというわけでもないのですが譜面を読むことが出来たのです。また、ビートルズを聞き出して夢中になったのもこの頃です。邦楽ではオフコースやふきのとうなどが好きでした。高校生になると、レンタルCDというものが普及しだしたということもあり、ロックの名盤といわれるものを片っ端から借りてきて、寝る前に部屋を暗くしてヘッドホンで聞いていました。ピンク・フロイド、ドアーズ、ツェッペリン、クリムゾン、ヴェルヴェット、テレヴィジョン…。どちらかと言えば、重たいものが好きだったような気がします。一方でフォークっぽいのも好きで、陽水、アリス、千春、小椋佳、甲斐バンド、チューリップ、因幡晃、長渕などの暗めの曲もよく聞いていました。そして大学生になってついにバンドを始めました。当時、イギリスで流行ってたマンチェブームに踊らされ、バンドでもそのような音楽を指向していましたが、パンクやヘビメタなど連中ばかりで、16ビートは全く理解してもらえませんでした。その頃友人のひとりがブラック・ミュージックが好きで、私もその影響で黒人音楽が大好きになってしまいました。バンドのほうはオリジナル曲を中心に演奏し、ライブハウスなどにも出演していたのですが、才能の枯渇を感じて現在は休止しています。

今後もこのブログでは、変にマニアックに走るのではなく、真に「名盤」だと自信をもって推薦できる音楽を紹介していきたいと思います。また、これはぜひ取り上げてほしい、というものがあったらご連絡ください。洋楽、邦楽は問いません。ご意見、ご要望など、お待ちしております。ただ、ヘビメタやパンク、プログレ系などはあまり得意としておりません。あしからずよろしくお願いいたします。


クイックシルバー・メッセンジャー・サービスを聞きながら…
(ニッキー・ホプキンスのピアノが最高!)

PRINCE

サイン・オブ・ザ・タイムズ サイン・オブ・ザ・タイムズ
プリンス (2005/05/25)
ワーナーミュージック・ジャパン
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ショック。この思い入れの深いアルバムについての長いレビューを書いていたら、いつのまにか消えていました。殿下のタタリかもしれません。再びレビューを書き直す気にはなれませんが、この2枚組のアルバムは最高です。プリンスの天才がいっぱい詰まっています。どうか、つべこべ言わずに聞いてみてください。
ああ、それにしてももったいない…

PRIMAL SCREAM

Sonic Flower Groove Sonic Flower Groove
Primal Scream (1991/06/01)
Warner
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プライマル・スクリームのファースト。私は、彼らのアルバムでは1枚目から4枚目までは大好きで、どれも甲乙つけがたく思っています。ご存知のように、彼らはアルバム毎に大きく指向を変えてきましたが、この4枚はどれも素晴らしいのです。このようなバンドは本当に稀有だと思います。ただ最近の音は、後年振り返ってみると「時代の音」と言われかねないような危険さをはらんでいます。
本作のイメージは、12弦ギター、切なくて甘酸っぱいメロディー、赤面しそうな歌詞(だって、SUNSHINE FOR YOUですよ)、ネオアコ調、ボビーの少し頼りなげで母性本能をくすぐるようなヴォーカル、それにしても大変なアルバムです。駄作が一曲もなく、すべての曲が美メロのかたまりです。「スクリーマデリカ」しか聞いたことのない人にもぜひ聞いてほしい作品です。ちなみに、「スクリーマデリカ」に収録されている「DAMAGED」というバラードは、甘酸っぱいエッセンスとR&Bのフレーバーをあわせ持つ、ものすごい名曲です。
それから、2枚目の歌詞の「暗さ」にもひかれます。まるで漫画の名作「赤色エレジー」かジャックスかという自堕落な世界。もう最高ですね。


試聴とダウンロードは ↓



PINK FLOYD

夜明けの口笛吹き 夜明けの口笛吹き
ピンク・フロイド (2006/09/06)
東芝EMI
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私はあまり、「プログレ」というものを聞かないのですが、ピンク・フロイド(特に「炎」まで)とキング・クリムゾンの初期だけは好きなのです。もっとも、ピンク・フロイドは他のプログレ・バンドとは全く違うような気がするのですが。
特に、このデビューアルバム。先日ひっそりと息をひきとったシド・バレット在籍時の作品。そして、ほとんどが彼のペンによるもの。
①の「天の支配」。「恐怖の支配の先にいるのはだれだ」という歌詞。彼はこの時すでに見えない何者かと闘っているのでしょうか。②の「LUCIFER SAM」。「いつも君の側にいるんだ、僕は彼を理解できない」。ルシファー・サムはシャム猫ですが、それがもし人間の比喩だとしたら…。猫であるのはむしろあなたたち人間?③の「MATILDA MOTHER」は童話風の歌詞です。「お母さん、もっと話してよ」という帰らぬ子供時代への憧憬が綴られます。④の「FLAMING」。「君には僕が見えない、でも僕には君が見えるよ」というどうしようもない疎外感。⑦の「星空のドライブ」のサイケデリックな陶酔感。⑧の「地の精」も童謡風の少しドノヴァンっぽい曲。⑨の「第24章」は一見前向きな歌詞に聞こえます。哲学的かつ禅的歌詞を持つ曲ですが、これは絶望の中からの救いなのではないでしょうか。⑩の「黒と緑のかかし」。「だけど畑の中に立つこともさだめと諦めている。生きていくのはきびしいが案山子は何とも思わない」。シドは案山子に何を仮託していたのでしょうか。⑪の「バイク」。「バイクを持っているよ、乗ってもいいよ、いかしたものがいっぱいついているんだ、君にあげてもいいけど借物なんだよ…」、「君に欲しいものは何でもあげるよ…」。そして最後の不気味なカラスの鳴き声のようなノイズが物質文明と人間の欲望のおろかさをあざ笑っているような気がしてなりません。
このアルバムを聞くと、シドがどういう気持ちでこれらの曲を書き、演奏していたか、深く考えさせられます…。

PILOT

パイロット パイロット
パイロット (1998/06/24)
東芝EMI
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1975年発表。イギリスのバンドのデビューアルバム。
よく彼らはビートルズフォロワーと言われますが、ビートルズと違ってR&B臭はほとんどありません。あえて言えば、ジグソーなどの路線に近いかもしれません。
①の「JUST A SMAILE」はもういきなり超甘キャッチーな曲。静かな歌い出しから、サビの超ハイコードのメロディーへと爆発していきます。②の「MAGIC」は最近この曲のカバーが、HONDAのモビリオのCMソングとして使われていました。4度のマイナー(いわゆるビートルズコード~そんなネーミングないか~)が特徴的です。⑤の「LOVELY LADY SMILE」はアコギとストリングスによる美しいバラード。しかし、デヴィッド・ペイトンのハイトーンはシャウトせずに2オクターブ上のD音くらいまで出してしまいます。⑪の「AUNTIE IRIS」はアレンジ凝りすぎの感があります。イマイチ。ちなみに本作と次作「SECOND FLIGHT」のアレンジは、あのアラン・パーソンズです。曲によってできばえにかなりバラツキがあります。
彼らの次作も、トータルでは本作と同様なかなか素晴らしい完成度を誇っています。アレンジ的には本作に比べ、ややモダンな感じを受けますが、飛びぬけて良い曲もないかわりに、つまらない曲もない印象です。全英ナンバー1の「JUNUARY」も1枚目の曲と比べるとそういい曲とは思えません。しかし、ポップスにはある程度の「毒」が必要だという私の思想に照らし合わせると、彼らの音楽はやや優等生すぎる印象を受けることも事実です(この後聞いたのが、クイーンとポール・マッカートニーだったからそう思えたかもしれませんが)。

PAUL WILLIAMS

サムデイ・マン(紙) サムデイ・マン(紙)
ポール・ウィリアムス (2003/02/26)
ワーナーミュージック・ジャパン
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1970年の作品。ポール・ウィリアムスは、ロジャー・ニコルスと組んでさまざまなアーチストに素晴らしい作品を数多く提供したことで知られています。本作はそんな彼のヴォーカルによるソロアルバムです。
①の「SOMEDAY MAN」。タイトなリフ。ハル・ブレインの独特な手数のやたらと多いハネ気味のドラムにのって、歌が始まります。そしてサビでシャッフルにリズムチェンジする瞬間の心地よさ!元はモンキーズに提供された曲。②の「SO MANY PEAPLE」はマイナー調の出だしから開放感のあるメジャー感を持つサビへの突入部が素晴らしい曲。ストリングスの使い方もさすがです。④の「MORNIN' I'LL BE MOVIN' ON」はストリングスのアレンジが最高。これは言葉での解説は不可能なのでぜひ聞いてみてくださいとしか言いようがありません。⑤の「TIME」も美しいバラード。ただ、バックのシタールの音が本当に必要なのか疑問なところ。ギターとシタールを同時に鳴らすとシタールの音が死んでしまいます。⑥の「TRUST」はロジャニコのアルバムでも取り上げられていたドラマティックな曲。アレンジのストリングスはこちらの方がダイナミックですが、いかんせんヴォーカル面の魅力はロジャニコの方がずっと上。⑦「TO PUT UP WITH YOU」もキャッチーで美しい曲。ベースが動き回ります。本アルバムはアレンジをなんと5人が担当しており、よい意味での競争原理がはたらいているのか、どれも素晴らしいアレンジを聞かせてくれます。⑩の「ROAN PONY」は3拍子だけど、16分のハネたリズムをもつ独特な感じを持つ不思議な曲。文句なしにかっこいい。
彼のちょっと鼻にかかったようなヴォーカルは癖があり、山木康世の角が取れたような歌い方は好き嫌いがはっきりするように思われますが、曲とアレンジが最高に素晴らしいので、不思議と違和感無く最後まで聞くことができます。

PAUL SIMON

時の流れに(紙ジャケット仕様) 時の流れに(紙ジャケット仕様)
ポール・サイモン (2006/09/20)
ワーナーミュージック・ジャパン
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サイモン&ガーファンクルのサイモンの名盤。ひとりで聞くと、歌詞にメロディーに切なくなります。この人もポール・マッカートニーと同様に故無き批判が多くかわいそうな人ですが、私はこのアルバムは素晴らしいと思います。
①の「STILL CRAZY AFTER ALL THESE YEARS」。バックはなんとマッスル・ショールズ!あのアレサの世界遺産級超名盤「貴方だけを愛して」と同じリズム隊です。曲も素晴らしい。別れた男の女々しさが心に染み入ります。②は、元相方のガーファンクルがコーラスで参加。やっぱりこのハーモニーですよ。最高にハモってます。③のメロディーもせつなく美しい。④の「恋人と別れる100の方法」は超有名曲ですよね。タイトルはフリッパーズもパックってました。ドラムはステーヴ・ガッド。ベースはトニー・レヴィン、コーラスはフィービー・スノウという超豪華メンバー。⑧の「HAVE A GOOD TIME」はスティーリ・ダンのような渋い7拍子の曲。スライドギターもかっこよい。⑨はクワイアの合唱が入った荘厳な曲。
思えば、S&Gはほとんどサイモンのワンマン(ワム!のマイケルとアンドリューほどでないにしても)で、グループ時代の曲もガーファンクルがメインヴォーカルの曲は少ないのですが、「明日に架ける橋」でガーファンクルのヴォーカルを堪能することができました。でも、ガーファンクルは個人的な私見ですが、数学のプロフェッショナルでもあり(かどうかわかりませんが)、芸能活動に本腰を入れてなかったのではないかという気がします。真相はいかに。

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PATTI LaBELLE & THE BLUEBELLES

ドリーマー ドリーマー
パティ・ラベル、ブルーベルズ 他 (1998/11/26)
イーストウエスト・ジャパン
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若かりしパティ・ラベルがグループを組んでいた頃の1968年発表の作品。まだ青臭いヴォーカルがかえって新鮮に思える好盤です(というかこのアルバムはまだ入手しやすい)。
①の「DREAMER」の歌いだしの「DREAMER…」の一声にやられてしまいました。それにしても彼女のややヒステリックなヴォーカルは独特ですね。②の「ALWAYS SOMETHING THERE TO REMIND ME」はデヴィッド&バカラックの作品。ディオンヌに負けるな!。③の「I'M STILL WAITING」はカーティス・メイフィールドの曲。イントロのギターが良い雰囲気です。同時代のモータウンなんかと比べてしまうと、全体的に68年のサウンドにしては古臭いアレンジが玉に瑕なのですが、パティのヴォーカルの高音の伸びがすさまじく、後年もこの路線で行ってくれればと個人的には思うのですけれどね。⑦以降のライブからの音源も、なんかトレブルがモコモコしている感じがしますし、ノイズが少し気になります。音質はイマイチ。⑨の「ONE PHONE CALL」なんかを聞いていると、彼女がこの後スタンダードナンバーをよく歌うようになる理由がわかるような気がします。彼女の場合、歌が「上品に」上手いのだけれど、曲やプロデューサーに恵まれていないのか、かゆいところに手が届かないと言いますか、どちらかというとジャズ・シンガーになった方が大成したんじゃないかと個人的には思うのですが…。でも、彼女の「OVER THE RAINBOW」は本当に最高です。
ちなみに、後に大ヒットする彼女の「レディ・マーマレード」を気に入ったポール・マッカートニーが、その曲をレコーディングしたニューオリンズのシー・セイント・スタジオを借りて「VENUS AND MARS」のアルバムをつくったということです。さらに言えば、このポールのアルバムの発表記念パーティーに招かれたニューオリンズのブルースマン、プロフェッサー・ロングヘアーのその時のライブ盤「LIVE ON THE QUEEN MARY」もなかなかGOODです。というわけで、ポールの人脈の広さと影響力を垣間見ることができます。



Patti Labelle & The Bluebelles - Pop Masters: Only In America

PAUL BUTTERFIELD'S BETTER DAYS

ベター・デイズ ベター・デイズ
ポール・バターフィールズ・ベター・デイズ (1999/09/22)
ビクターエンタテインメント
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1973年発表のホワイトブルースアルバムの名盤。
①の「NEW WALKIN BLUES」は言わずもがなロバート・ジョンソンの曲。ただ、実際のアレンジはビートも効いており、どちらかというと力強いサン・ハウス風に仕上がっています。②のヴォーカルはジェフ・マルダー。この人の歌は、ジョン・メイオールやスタカン時代のポール・ウェラーもそうですが、ブルーアイドソウルを目指した人独特の変な力みというか気負いを感じてしまいます。それに比べると、低音の魅力ロニー・バロンのヴォーカルの方が余裕が感じられて個人的には好きです。それにしてもエイモス・ギャレットのギターは絶品ですね。⑥の「生きながらブルースに葬られ」はジャニス・ジョプリンで有名です。⑧のブラインド・ウィリー・ジョンソンのカバー「NOBODY'S FAULT BUT MINE」はちょっと軽すぎるような気がします。原曲のへヴィーさは誰も超えることができません。⑨はアップテンポの佳曲。この曲のように、彼らにとっては変にブルースを意識させない曲の方が良いかもしれません。

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THE PARADE

パレード パレード
パレード、parade 他 (1995/07/01)
ユニバーサルインターナショナル
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ソフトロックの大名盤!3人組のグループですが、そのうちの一人、マレイ・マクリオドは同じくロジャー・ニコルズ&スモール・サークル・オブ・フレンズのメンバーも兼ねていることもあり、ロジャニコにサウンド的には近いものがあります。マクリオドの中性的なヴォーカルとドリーミーでキャッチーなメロディーが非常に美しいグループです。
①の「SUNSHINE GIRL」。マイナー調の美しいメロディーから静かに始まり、サビはメジャーに転調して一気に開放されるという素晴らしい曲。まさにソフトロックの鏡ともいえる逸品です。③の「THE RADIO SONG」もキャッチーな素晴らしい曲。④の「LOVERS」はアコギ中心の演奏による美しいバラード。⑤の「KINDA WASTED WITHOUT YOU」もこれまたキャッチーな名曲。⑥はの「FROG PRINCE」はC&Wっぽい小曲。⑦は本アルバムのハイライトとも言えるべき超名曲。セヴンス調のブルージーなAメロからサビのメジャーコードへと連なる展開が最高です。⑨の「SHE'S GOT THE MAGIC」もやはり名曲。ビーチボーイズの「GOOD VIBLATIONS」とタートルズの「HAPPY TOGETHER」を足して2で割ったような曲で、サビの開放感が素晴らしい。⑪の「LULLBY」も本当に子守唄のような美しい曲です。ハープの音が眠りを誘います。
これだけのキャッチーな曲をそろえたアルバムは、滅多に存在しません。全ポップスファンに自信をもってお勧めできるアルバムです。

THE PALE FOUNTAINS

パシフィック・ストリート パシフィック・ストリート
ペイル・ファウンテンズ (1999/12/22)
東芝EMI
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言うまでもなく、いわゆるネオアコの名盤です。
①の「REACH」。G→Am→Bm→Cとベース音が徐々に上がっていくのが、いかにもオープニング曲にふさわしい意気込みを感じます。非常に若々しくさわやかなナンバーです。最後のホーンが無理なブルーノートを奏でており、若気の至り的サウンドがむしろほほえましく感じられます。②の「SOMETHING ON MY MIND」はラテンパーカッションが入るマイナー美メロを誇る曲。この曲も最後に変なチェロっぽい音が入って妙な感じ。③の「UNLESS」はギロのイントロから入るアンデスっぽい曲。紀行番組のBGMで使えそう。④の「SOUTHBOUND EXCURSION」は全体的にLOVEっぽい曲。やはり彼らも好きだったんでしょうね。⑦の「YOU'LL START A WAR」もキャッチーな佳曲。アコギのストロークとホーンのリフがかっこいい。⑧の「BEYOND FRIDAYS FIELD」もジプシー風のギターがすごく良い曲。そういえば昔、3ムスタファズ3という国籍不明(東欧系?)のバンド(結構良いので後日紹介しますね)がありましたけど、そんな感じに仕上がっている曲です。⑨の「ABERGELE NEXT TIME」。メジャーセヴンスが気持ちいいさわやかなナンバー。途中でインベーダーゲームのBGMみたいな妙なベースが入るし、例によって曲の最後で乱れまくるという、よく聞くと変てこなナンバーです。ここからはボーナストラック。⑫の「THANK YOU」。これも有名な曲ですね。キャッチーなメロディー。豪華なストリングスにホーン。そう言えば、コーネリアスに似た感じの曲がありました。私の結婚式のBGMソングのひとつです。⑬の「MEDOW OF LOVE」。複雑なコード進行に、流れるようなストリングスとフルート。80年代ソフトロックの極地です。⑮の「PALM OF MY HAND」は名曲中の名曲。こよなく美しいマイナー調のメロディー。マイケル・ヘッドの青くさいヴォーカル。ケイト・ブッシュっぽいストリングスとホーンセクションのカラミも絶妙。


The Pale Fountains - Longshot for Your Love


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O.V.WRIGHT その2

ライヴ・イン・ジャパン ライヴ・イン・ジャパン
O.V.ライト (1990/02/10)
ブルース・インターアクションズ
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O.V.の晩年の日本でのライヴ盤。当時は立つのもやっという状態だったらしいのですが、最期の気力を振り絞るような彼の歌に強く打たれます。①の「I'D RATHER BE BLIND,CRIPPLED AND CRAZY」から、O.V.の歌、ハイリズムのバックは素晴らしい。特にベースの音が素晴らしく、ドラムもスタジオ盤より手数が多く、本当にもう最高です。②の「ACE OF SPADES」も良い。バックの演奏はスタジオ盤よりも良いと思えるほど。③の「EIGHT MEN AND FOUR WOMEN」も名曲ですね。余談になりますが、JBの「LIVE AT THE APOLLO」の最後のメドレーでこの曲がちょっとだけ登場します。④の「PRECIOUS,PRECIOUS」は先日紹介したオーティス・クレーのヒット曲。O.V.の歌もすごく良い。⑤の「LONE AND HAPPINESS」はアル・グリーンの曲。この演奏はちょっと感心しません。これまた余談になりますが、この曲からシェリル・リンの「GOT TO BE REAL」と来てドリカムの「決戦は金曜日」につながっていったような気がします。⑥のメドレーは同じくアルの「GOD BLESSED OUR LOVE」、パーシー・スレッジの「WHEN A MAN LOVE A WOMAN」、O.V.のデビュー曲で超名曲の「THAT'S HOW STRONG MY LOVE IS」(歌詞も泣ける)、自身の「YOU'RE GONNA MAKE ME CRY」(これも先ほどのJBに入っていた)の4曲。⑦の「INTO SOMETHING」。ホーンのリフがステーヴィー・ワンダーの「迷信」っぽい。
ちなみに私はこのアルバムのCD盤を持っていますが、「LIVE IN JAPAN」と言っておきながらジャケットの写真がハングルのネオンが並ぶ夜の都会の風景で違和感を覚えました。またあろうことか、夜景の上に浮かぶO.V.の顔がヒゲを生やした金正日に似てなくもないのです。アメリカ人にとってみれば日本も韓国も同じようなものなのでしょうか。

O.V.ライトを中心としたサザンソウルについて、社会学者の中河伸俊先生という方の興味深い論文がありました。
http://homepage2.nifty.com/tipitina/KOKUKEN.html

OTIS REDDING その2

The Soul Album The Soul Album
Otis Redding (1991/06/11)
Rhino
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The Otis Redding Dictionary Of Soul : Complete & Unbelievable The Otis Redding Dictionary Of Soul : Complete & Unbelievable
Otis Redding (1991/06/11)
Atco
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The Dock of the Bay The Dock of the Bay
Otis Redding (1991/11/05)
Rhino
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今日もいきます、オーティス3連弾。今回は中期から後期にかけてのセレクトです。
まず、これまた名作の「THE SOUL ALBUM」。タイトルからしてオーティスの意気込みが感じられます。①の「JUST ONE MORE DAY」。いきなりの三連スローバラード。このディープさはもう唯一無比です。たたみかけるホーンセクションのアレンジとあいまって後半にかけてこみあげてくるところなんか最高。②の「IT'S GROWING」はテンプテイションズのヒット曲です。彼らとはやはりかなり違った感じに仕上げっています。③の「CIGARETTES AND COFFEE」もスローな曲。この曲の良さがわかるのに時間がかかりました。それほど奥が深い。④の「CHAIN GANG」もサム・クックの曲。演奏はもういかにもMG'Sという感じ。ブレイクのところなんか最高。ちょっとヴェルヴェット・アンダーグラウンドみたいなところが出てくる。⑤の「NOBODY KNOWS YOU」はベッシー・スミスの戦前のヒット。エリック・クラプトンもカバーしてました。ちょと異色な作品でハテナマーク。⑥の「GOOD TO ME」はオリジナルの三連スローバラード。バックのオルガンの音がゆったりと流れ、賛美歌のよう。オーティスのヴォーカルもややディープさを抑えています。⑦の「SCRATCH MY BACK」はブルースのスリム・ホーポの曲。けだるい感じはそのままです。⑧の「TREAT HER RIGHT」は白人のブルースマン、ロイ・ヘッドの曲。⑨の「EVERYBODY MAKES A MISTAKE」はエディ・フロイドの曲。この曲もディープで素晴らしい。⑩の「ANY OLE WAY」はオリジナル。オーティスの曲は、どのアルバムでも総じてオリジナル曲の方がすばらしく、通して聞くとオリジナル曲のところでぱっと目が開かれるような気がします。この曲もアレンジは軽めながら素晴らしい歌を堪能できます。⑪の「634-5789」はウィルソン・ピケットのヒット曲で、作者のエディ・フロイドも演っている曲です。しかし、このオーティスのディープさは何でしょう。ウィルソン・ピケットもディープな人ですが、オーティスは軽くその上を行きます。
続いて「ソウル辞典」。①の「FA-FA-FA-FA-FA(SAD SONG)」。この頃からオーティスのヴォーカルスタイルに少し変化があり、ややレイドバックしてきた感があります。キャッチーな名曲。②の「I'M SICK Y'ALL」。バックのアレンジも前作と比べて目に見えてモダンになってきましたが、それと引き換えにオーティスのヴォーカルが埋没していくような印象を受けます。曲としては良いのですが。③の「TENNESSEE WALTZ」は江利チエミも歌っていたスタンダード。この曲を入れた理由がよくわかりません。⑥のビートルズもそうですが、白人ファン層の拡大を図っていたのでしょうか。④の「SWEET LORENE」もかつてないほどのモダンなアレンジ。ロータリーオルガンが時代を感じさせます。かなりロック色が強い曲。曲としてはまあまあ良い。⑤の「TRY A LITTLE TENDERNESS」も戦前の古い曲。これはアレンジの勝利でしょう。後半の半音で上がっていくところなんてすごくかっこいい。⑥のビートルズ「DAY TRIPPER」は「サティスファクション」ほどの強い印象はありません。これならYMOヴァージョンのデイトリッパーの方がまし。⑦の「MY LOVER'S PRAYE」は本アルバムのなかでは最も素晴らしい曲。オーティスのクウォーター・チョーキング気味のヴォーカルが光ります。⑧の「SHE PUT THE HURT ON ME」はアップテンポの曲。出来は正直言ってイマイチ。⑨の「TON OF JOY」もオーティスどうしちゃったの、という曲であまり感心しません。⑩の「YOU'RE STILL MY BABY」はアトランタの大先輩、チャック・ウィリスの曲。チャックの生涯もオーティスと似ているものがあり、感慨深いものがあります。⑪の「HANG FOR YOU」はオリジナルですが、ブルージーな曲。これも疑問。⑫の「LOVE HAVE MERCY」は少しアレンジに凝り過ぎの感あり。本アルバムは、オーティスの転機をはかろうとする部分がやや空回りした感があることが否めませんが、ロック畑の人にとってはオーティス入門編としてある意味一番とっつきやすいアルバムかも知れません。
さて最後に、オーティスの死後に出された「THE DOCK OF THE BAY」。①のタイトル曲ですが、これは言うまでもない名曲で、彼の曲のなかでは最も有名なものです。この枯れ具合が死を予感させるようなナンバーです。もっともこの曲については賛否両論あり、マイナス面もよくわかるのですが、どうしても彼の生涯をあわせて聞くと感傷にふけってしまうのです。②の「I LOVE YOU MORE THAN WORDS CAN SAY」はスローバラードですが、盛り上がりに欠けイマイチ。この頃オーティスはノドの手術をしたらしいのですが、その影響か以前のような高音の熱いシャウトはあまり本アルバムでは聞かれません。③の「LET ME COME ON HOME」は時代がら、サイケロックっぽいアレンジが随所に見られます。④の「OPEN THE DOOR」はブルージーなスローナンバー。イマイチ。⑤の「DON'T MESS WITH CUPID」もこれまたイマイチ。⑥の「GLORY OF LOVE」は古いスタンダードナンバーで、次の⑦とともに本アルバムのなかではまあマシな部類に入るでしょう。⑦の「I'M COMING HOME」は、先ほどの「ソウルアルバム」の「CHAIN GANG」にリフが酷似しています。ヴォーカルはやはりレイドバックしています。⑧の「TRAMP」はブルースのローエル・フルソンの曲で、カーラ・トーマスとのデュエット。この歌だったらオーティスじゃなくてもいいだろう、といった感じの曲です。バックの演奏が前面に出てしまっています。⑨の「THE HUCKLE BUCK」はポール・ウィリアムスのヒット曲。バックのMG'Sが「この曲をやりたい」と言って入れたんじゃないのって言いたくなるような曲。⑩は「ソウルアルバム」の⑤を再録、⑪は「オーティス・ブルー」の①の再録。本アルバムは、正直言って①以外はあまり聞く気がしませんが、ロック界の劇的な変化にあわせて、「ソウル辞典」の頃から転機をはかろうと彼なりに模索をしていた時に亡くなってしまい、本当に残念です。

OTIS CLAY

愛なき世界で 愛なき世界で
オーティス・クレイ (2002/09/21)
ビクターエンタテインメント
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究極の名盤。オーティス・クレイの1972の作品。
①からハイ・サウンド全開の名曲かつ大ヒット曲。ハイの音って、例えばCのキーで次にAmが来るときにE♭の音をよくスパイス的に入れますが、この曲でもそれがさりげなく入っていてブルージーな感じを醸し出しています。この人のヴォーカルはウォームな感じで、O.V.ライトとは対照的ですね。②のスローバラードも最高。それにしてもハイサウンドはどうしてこんなに個々の楽器の音が美しく鳴っているのでしょう。ドラムのおそろしくタメの効いたスネアの音。ギターのアルペジオ。キーボードの音色。いくつもの楽器を重ねるモータウンと比較すると、ハイリズムは本当にワビサビの境地だと思います(予算の制約もあったのかな)。③、④も大名曲。決して奇をてらった曲ではないのに心が打たれます。⑤はギターのティニー・ホッジズに尽きます。最高の音色。アルペジオ崩し的なジャズ系のテンションコードを多用したフレージングは彼独特のものです。⑥もスローバラードの逸品。D→Cm7→B♭m→A♭→Dという変なコード進行の曲です。ハイはたまにこんなことを仕出かすから侮れません。⑧も超有名曲ですね。ミドルテンポのシャッフルが気持ちよく響きます。F→G→B♭→Fという底抜けに明るいサビのコード進行はソウルではあまり見られませんね(そう言えばビートルズのEight Days A Weekと同じです)。ウルフルズのトータス松本もソロアルバムでカバーしていました。⑨もタイトル通りハートウォーミングなナンバー。
とにかく、本アルバムは駄曲がありません。全曲必聴の素晴らしいサザンソウルです。ぜひ聴いてみてください。

ORPHEUS

The Best of Orpheus The Best of Orpheus
Orpheus (1995/11/27)
Big Beat
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アメリカはボストン出身のソフトロックバンド。彼らは60年代後半に4枚のアルバムを残していますが、本盤はそのベスト。ベストといっても2枚組みで34曲も入っているので、大半の曲が収められているお得盤となっています。
彼らの音楽はつかみどころがないのが特徴で、ブルース・アーノルドのやや黒っぽいヴォーカルに、美しいハーモニーがついたり、フォークロックがベースっぽいけど、ところどころシタールがでてきたりサイケっぽかったり、ハープを使ったりしてクラシカルな面をのぞかせたり、ブラスを使った思いきりポップな路線もみられたり、大学の街ボストンならではなのかどうかは定かでありませんが、なかなか学究的な音を聞かせてくれるバンドです。コーラスもなかなかよくハモっています。ただ、全体としての雰囲気はクールでかっこよく、アレンジのセンスもなかなかのものだと思うのですが、個々の曲のメロディーにやや弱い点があり、聞いた後にイメージが残りにくいんですよね。
アソシエイションレフト・バンクなどが好きな人にはお勧めのアルバムです。

OHIO PLAYERS

オハイオ・プレイヤーズ/ファイアー オハイオ・プレイヤーズ/ファイアー
オハイオ・プレイヤーズ (1992/08/26)
ユニバーサルミュージック
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ファンクの重鎮、オハイオ・プレイヤーズの登場です。スライなんてもっての外、P-FUNKもちょっと違う、だけどオハイオ・プレイヤーズはかっこいい、なんて人もソウルファンには多いはずです。そう、彼らには実力も備わっているのです。
それにしても①「FIRE」は名曲中の名曲です。サイレンの音から始まり、ほぼ「C」のワンコードで押し続ける構成、ベースとドラムのノリ、後半で半音上に転調した後のリフのすごさ、地球上のすべてのファンクの曲の中で間違いなくベスト10に入るでしょう。②も名曲。美しく、ちょっとドゥーワップ調のコーラスで入る曲で、彼らの歌の実力を証明する一曲でもあります。③も強烈ファンク。シュガーフットのワウの効いたギターが印象的です。それにコーラスも美しく決まって、ファンクの猥雑さとあいまって彼らの独特の世界が展開されています。演奏や歌に実力がなければこんなことはできません。④はドラムのかっこいいフィルから入るスローナンバー。これも目茶目茶かっこいい。コーラスの美しさ、途中で入るディミニッシュコード、流れるようなストリングス、それでいて猥雑な歌、こんな曲を作れるのは彼らしかいません。⑤も①の続編的なナンバー。後半のラテンパーカッションがいい味を出しています。⑦は三連シャッフルのコーラスが美しいナンバー。⑧は、EL&Pみたいなリフのあとにジャジーなフレーズがきて、延々とギターソロが続くというシュールなナンバー。⑧は②のリプライズ。
この頃の彼らは、曲よし、コーラスよし、演奏よし、ジャケットよし?と、言うことのない作品を立て続けに残してくれました。「本当の」ファンクを聞きたい人にはぜひこのアルバムをお勧めします。


Ohio Players - Best of Ohio Players



オハイオ・プレイヤーズのベスト盤の試聴はこちら ↓



NIRVANA (UK)

ザ・ストーリー・オブ・サイモン・シモパス~コンプリート・エディション(紙ジャケット仕様) ザ・ストーリー・オブ・サイモン・シモパス~コンプリート・エディション(紙ジャケット仕様)
ニルヴァーナUK (2004/06/23)
ユニバーサルインターナショナル
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1967年発表のソフトサイケロック名盤。イギリス的な哀愁とサイケな雰囲気がうまく融合した名盤。サージェント・ペパーズの影響を強く受けたと思われるコンセプト・アルバムとなっています。アルバムタイトルにもあるように、「サイモン・シモパス」の成長を綴る物語(サイエンス・フィクション・パントマイム)という形態をとっています。アレンジもオーケストラを導入するなど、全体的にラヴのイギリス盤みたいな感じがします。ただ、サウンドとジャケットがチープさを感じさせ、B級的なノリと悲哀を感じさせてくれる部分もあります。
①はいきなり美しいメロディーが炸裂する名曲。②も半音下降のマイナーコード進行の美しいワルツ。③、④は一転してポップなメロディーの楽しい曲。この辺のスペイシーなコンセプトって「ジギー・スターダスト」の先を行っているような気がします。⑥は変な転調をするアソシエイションのような曲。⑦はキャッチーで親しみやすいメロディーを持つ佳曲。⑧は不思議な存在感を持つ静かな曲。コード進行が独特。本アルバムの中でのベストトラックと言えるでしょう。
本作は彼らの一枚目のアルバムですが、このあと彼らはプログレ的な傾向を強めていくことになります。
それにしても、彼らの方が先にデビューしたのに、(UK)なんてつけられてかわいそう…。

NICO

Chelsea Girl Chelsea Girl
Nico (1990/10/25)
Polygram International
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不思議なアルバムです。NICOと言えばヴェルヴェット・アンダーグランドのファーストで数曲歌っていたモデルの女性です。ヴォーカルははっきり言って上手くないのですが、マイナー調のメロディアスな曲が多く、妙に心に残るアルバムです。19世紀末から20世紀初頭の退廃的でどこか悲しく儚げなパリやベルリンの風景を思い起こさせるような感じと言うか。このアルバムを聞いて私は、カミーユ・クローデルマリー・ローランサンなどの生涯を思い浮かべたりします。その点では、ルー・リードの超傑作アルバム「ベルリン」と共通点があるような気がします。山崎ハコなどが好きな方にはぜひおすすめのアルバムです。特に④と⑥は心にしみいる名曲です。


Nico - Chelsea Girl



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100 PROOF AGED IN SOUL

サムバディーズ・ビーン・スリーピング・イン・マイ・ベッド サムバディーズ・ビーン・スリーピング・イン・マイ・ベッド
100プルーフ・エイジド・イン・ソウル (2004/03/19)
ブルース・インターアクションズ
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1970年にHOT WAXから発表された彼らの1枚目。
①は楽しい感じのヒット曲。ファンキーな曲調に、16分のギターカッティング、コンガ、ピアノ、ブラスなどが入ってにぎやかな印象。②はややスローな曲でリズムがややニューオリンズっぽい。それにしてもリードをとるスティーヴ・マンチャの歌声の素晴らしさ。高音になるところでハスキーになるところなんか最高にかっこいい。④はジョー・スタッブスのリード。恋人たちの語らいから入るスローバラード。曲としては少し凝りすぎのキライあり。⑤はソウルらしくないコード進行の曲。マイナー調の曲なのにメジャーコードから入るというこれも凝りすぎた曲。⑥はマンチャがリードのシンプルでキャッチーな曲。やはりリードとしてはマンチャの方が格が上です。⑦は傑作ファンク。シャイライツを髣髴させる重量感が心地よい。ストーンズの「悪魔を憐れむ歌」にも見られるようなF→E♭→C→Fというコード進行は個人的に大好きです。⑧のコードもD→F→G→Dと結構日本の歌謡曲のようなクサい展開。⑩もまたよい曲。マンチャの高音ヴォーカルが最高。
全体的にコンガなどを多用したキャッチーな音作り、やや凝ったコード進行などが特徴的な名盤です。2枚目のアルバム「100 PROOF AGED IN SOUL」も本作と劣らぬ素晴らしいアルバムで、こちらはもっとタイトな曲調でファンキーな曲が多くなっています。特にA面は最高!ただし、B面のビージーズやアソシエイションのカバーは余分。


100 Proof (Aged In Soul) - 100 Proof (Aged In Soul): Greatest Hits

NICK DeCARO

イタリアン・グラフィティ(紙ジャケット仕様) イタリアン・グラフィティ(紙ジャケット仕様)
ニック・デカロ (2006/08/23)
ユニバーサルインターナショナル
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1974年発表。ニック・デカロはもともと著名なアレンジャーで、数多くの作品を手がけてきましたが、このアルバムは彼のソロとしての第2作となります。本作は「AORの元祖」的な存在としての名をほしいままにしています。彼はここではヴォーカルもとっていますが、ジャケットの写真からは想像もつかないようなやさしい繊細な歌声を披露してくれます。元シュガー・ベイブ松村邦男をおとなしくしたような声質です。
①は、David T.Walkerのギターがめちゃめちゃかっこいい。音色もソロも最高。②はスティーヴィー・ワンダーのカバー。原曲とはまた違った解釈で斬新。③は有名なスタンダードナンバー。ゆったりとしたアレンジが素晴らしい。個人的な話ですが、この曲は私の披露宴のBGMに使わせてもらいました。④は恋多き女性、ジョニ・ミッチェルの曲。原曲よりもかえってポップな仕上がりで聞きやすいのが不思議。⑤はトッド・ラングレンのバラード。シンプルなアレンジが光ります。⑥もスティーヴィーの曲。アレンジはシンプル過ぎず過剰にもならず、そうは言ってもハーモニーはばっちり決まってリズム感もあり、このセンスは抜群です。⑦は「ハッスル」のヴァン・マッコイの曲で、ベティ・エヴァレットのカバー。オリジナルはそう面白い曲ではないんですが、アレンジを変えることで魅力的なものになっています。しかし、渋い曲を選ぶなあ。⑧はランディ・ニューマンの曲。ランディのダミ声とは対照的です。⑨はダン・ヒックスによるR&R調の曲。この曲のオリジナルは聴いたことがありません。ごめんなさい。⑩のアレンジもシンプルなようで、実はいろいろな音が遠くで鳴っており、それがよい効果をもたらしています。よく聞くと、チャカポコ・ワウが遠くから聞こえてきて、曲に適度なグルーヴ感をもたらしているのがわかります。
料理に例えると、薄味だけどダシの香りがほのかにして、とても上品でおしゃれな京風料理といったところでしょうか。

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