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takayou

Author:takayou
名古屋在住の35歳男性です。ソウル、ソフトロック、ポップスの、ややマニアックな名盤を紹介します。やはり良い音楽は、CDやLPとして持っておきたいものですね。


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THE TEMPTATIONS

The Temptations Sing Smokey The Temptations Sing Smokey
The Temptations (1998/10/20)
Motown
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テンプスと言えば、月並みですがこのアルバムでしょう。ノーマン・ホイットフィールドが主にプロデュースした60年代末から70年代初頭にかけても悪くはないのですが、レコードで聞くとどうも、という感じがします。ライブで聴くと最高なんでしょうがね。ちなみに、先日大阪のUSJに行ってきたんですが、「デトロイト5」というコーラスグループのショーをたまたま見かけました。このテンプスの「ボール・オブ・コンフュージョン」をはじめ、スティーヴィーやマーヴィン、スモーキー、ヴァンデラス、オージェイズなどのヒット曲を披露していて、ライブの良さをあらためて感じた次第です。
さて、このアルバムはタイトルとおり、スモーキー・ロビンソンの曲を歌うというアルバムです。①の「THE WAY YOU DO THE THINGS YOU DO」はエディ・ケンのファルセットリードが光る好曲です。③の「MY GIRL」はもう誰もが知っているスタンダードナンバーですね。名手、デヴィッド・ラフィンのリードとドーレミソラドのリフが印象的です。④の「WHAT LOVE HAS JOINED TOGETHER」はエディ・ケンのリードによるミディアム。地味な曲ですが、意外と人気が高いナンバーです。⑥の「IT'S GROWING」はデヴィッドがリードをとる名曲。ファンクブラザーズの演奏が最高。⑦の「WHO'SE LOVIN' YOU」もデヴィッドのリード。本当にこの人の声の素晴らしさは天性のものだと思います。いわゆる「とおる声」と言うのでしょうね。この曲からは、ほとんどミラクルズのカバーとなります。⑫の(YOU CAN)DEPEND ON MEはコーラスが美しいドゥーワップ調の曲。このような曲を聴くと、あらためて彼らのコーラスグループとしての実力に恐れ入ります。

http://www.thetemptations.com/


The Temptations - The Temptations : The Ultimate Collection - My Girl
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TIM BUCKLEY

グッバイ・アンド・ハロー グッバイ・アンド・ハロー
ティム・バックリィ (2006/10/25)
ワーナーミュージック・ジャパン
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1967年発表のアルバム。聞いていて胸が締め付けられるようなせつなさをおぼえるアルバムというものは、そんなに多くないのですが、このアルバムはまさにそのアルバムの筆頭と言ってもよいでしょう。彼のメロディと声はせつなすぎるのです。メロディが「暗い」わけでもないのに…
②の「CARNIVAL SONG」は三拍子の曲。ビートルズ(ジョン)の「ミスター・カイト」の間奏部分の感じがします。この曲を聴くと、中原中也の名詩「サーカス」の「ゆあーん、ゆよーん、ゆあゆよーん」というフレーズを思い出します。③の「PLEASANT STREET」は本アルバムのベスト曲。ほとんど泣きそうなティムの絶望的なヴォーカルと美しすぎるメロディに、あなたのこころはうたれるでしょう。④の「HALLUCINATIONS(幻覚)」。28歳で亡くなった彼の生涯を想いながら聞くと胸が重くなります。バックの効果音が、日本の歌舞伎などで使われるオバケの音とよく似ており、この手の効果音は洋の東西を問わないのだなぁと、妙に感心させられます。⑤の「I NEVER ASKED TO BE YOUR MOUNTAIN」はドノヴァンを思わせるサイケデリックフォーク。⑦の「PHANTASMAGORIA IN TWO(二人の幻影)」は女々しい曲(あまりこの単語は使いたくないのですが)。けれども、この女々しさというのは誰にでもあるものであって、ミュージシャンは誰でも作品を作るにあたって「他者」を考える以上、その「他者」を励まそうとか、慰めようとか考えて曲を作っていると思う(いわば自分をだまして)のですが、ここまで他者の存在を気にせず自己の不安をさらけだすことは、なかなかできないことです。そして、それこそが彼が夭折した原因ともなっているような気がするのです。

ベスト盤の試聴とダウンロードは ↓



THEM

ゼム/ゼム・フィーチャリング・ヴァン・モリソン ゼム/ゼム・フィーチャリング・ヴァン・モリソン
ゼム (1989/06/01)
ユニバーサルミュージック
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ヴァン・モリスンが60年代に在籍していたグループ、「ゼム」のベスト。
①の「GLORIA」はパティ・スミスもカバーしていた名曲。しかし、1964年でこの黒さはストーンズ以上です。ヴァンのヴォーカルもまだ青臭いのですが、それがかえって魅力的です。②の「THE STORY OF THEM」は自作の渋いトーキングブルース。③の「STORMY MONDAY」は「モダンブルースギターの父」T-ボーン・ウォーカーの有名な曲。ヴァンのルーツが垣間見えます。⑤の「HEY GIRL」は後年のヴァンを予想させる、秀逸なミディアムバラード。⑥の「BABY PLEASE DON'T GO」はビッグ・ジョー・ウィリアムスのカバー。ポール・バターフィールドもカバーしていました。ブルースのスタンダードといってもいい曲です。⑦の「HERE COMES THE NIGHT」は彼ら最大のヒット曲(全英2位)。名プロデューサーのバート・バーンズの曲ですが、キャッチーすぎて彼らのスタイルからは少し浮いたような気がします。⑨の「RICHARD CORY」はサイモン&ガーファンクルのカバー。意外な気がしますが、オリジナルの風味を損なわず、しかもヴァンの持ち味も活かしているという点では、良いカバーと言えるでしょう。⑫の「I PUT A SPELL ON YOU」はスクリーミン・ジェイ・ホーキンスの名曲です。私は、正直オリジナルは苦手なのですが、ゼムのカバーは日本のムード歌謡調で結構好きなのです。でも個人的にはCCRの激しいバージョンの方がもっと好きなんですけれどね。ちなみにストーンズのヴァージョンはイマイチです。60年代のイギリスで最も暗いサウンドを奏でていたのは、間違いなく「彼ら」でした。



WILLIAM DeVAUGHN

ビー・サンクフル・フォー・ワット・ユー・ゴット ビー・サンクフル・フォー・ワット・ユー・ゴット
ウィリアム・デヴォーン (2005/07/20)
インディペンデントレーベル
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1974年発表の作品。フィラデルフィアのシグマ・サウンド・スタジオでの録音。彼は、ほとんど一発屋だったのですが、90年代に入って、いわゆる「フリーソウル」ブームの中で再評価されるようになったという稀有な存在です。ヴォーカルはカーティス・メイフィールドを「あく抜き」したような感じで、カーティスがもしフィリーのバックで歌っていたらこのような曲になっていたのかもしれない、といった感じの曲ばかりです。カーティスのように「ヘタウマ」とも言えないなんでもないヴォーカルで、ヴォーカルリストとしてはやや線が弱い印象なのですが、ほとんど自作の曲のクオリティーは非常に高く、サウンド志向が高まった90年代において、バックを邪魔しない程度のヴォーカルがむしろ再評価されるひとつの要因になったといえるでしょう。曲によってはドラムの録音のレベルが高いような気がしますが、これも最近受けるようになった要因でしょう。バックのMFSBの演奏もラフな感じで、これがかえってリラックスした感じを醸し出しています。もっとも最初は、「ウィリアム・デヴォーン」って誰?という感じで、いやいや仕事を引き受けたんでしょうけどね。個人的には⑥の「SING A LOVE SONG」が大好きです。レイドバックしたヴォーカルにバックの演奏、キャッチーなメロディー。これはいい曲です。⑦の「YOU CAN DO IT」は、カーティスの「MOVE ON UP」にそっくりの曲です。

TERRY HUFF AND SPECIAL DELIVERY

ザ・ロンリー・ワン+4 ザ・ロンリー・ワン+4
テリー・ハフ、スペシャル・デリヴァリー 他 (1999/10/10)
ブルース・インターアクションズ
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1976年に発表されたスウィートソウルの名盤。プロデュースは、アル・ジョンソン。
①の「THAT'S WHEN LOVE HURTS」からいきなりの素晴らしいミディアム。テリーのヴォーカルは、ハイテナーとファルセットの「つなぎ目」が実に見事。ハイテナーのキーが上がっていって、いつのまにかファルセットになっているという理想の声の持ち主です。ジャケット写真で見る限り、お世辞でもこんな美声の持ち主とは思えないのですが(ダリのようなナマズヒゲだし)。②のタイトル曲はソウルチャート11位まで上がったそうですが、彼の声の持ち味を十二分に活かした素晴らしい3連バラード。③の「WHY DOESN'T LOVE LAST」もスローバラード。イントロのシタールが素敵。この曲での彼の鬼気迫るファルセットには鳥肌が立ちます。ラッセル・トンプキンスやウィリアム・ハート、エディ・ケンなどの無色透明系のファルセットとは全く違います。ファルセットでシャウトするのはこの人くらいでしょう。④の「WHEN YOURE LONELY」はコーラスやハープが美しいマイナー調の股間直撃系ミディアム。⑤の「WHERE THERE'S A WILL」はめずらしいアップテンポの曲。アル・ジャクソンらしい洗練されたサウンドです。⑦、⑧の「I DESTROYED LOVE」もやはりスローバラード。この曲もテリーの鬼気迫るヴォーカルが素晴らしい。⑨の「JUST NOT ENOUGH LOVE」はキャッチーで甘いミディアムナンバー。これもいい曲です。

TEDDY PENDERGRASS その2

Teddy Pendergrass/Life Is a Song Worth Singing Teddy Pendergrass/Life Is a Song Worth Singing
Teddy Pendergrass (1999/03/02)
WestSide
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今回はテディ・ペンのソロ第1作と2作のカップリングです。まず1枚目の「TEDDY PENDERGRASS」から。
①の「YOU CAN'T HIDE FROM YOURSELF」はベースラインが印象的な曲。いかにもフィリーという感じのヒット曲です。②の「SOMEBODY TOLD ME」は華麗なストリングスと涼しげなパーカッションにテディの爆裂バリトンが強烈なナンバー。⑤の「I DON'T LOVE YOU ANYMORE」はサンバ調のリズムで始まる曲。⑧の「THE MORE I GET THE MORE I WANT」はベースのリフが大変かっこいい曲。ただ、このアルバムは印象的な曲が少ないのが難点。
次は2枚目の「LIFE IS A SONG WORTH SINGING」です。⑨のタイトル曲は、マイナー調のミディアムナンバー。ベースとユニゾンのストリングスのリフがかっこいい。テディのヴォーカルも、心なしか従来のシャウトしまくり路線と比べると、メロディーを歌っているような感じです。⑩の「ONLY YOU」は変なブーチィーかぶれのシンセベースが印象的なファンキーナンバー。パーカッションとマイナー調のメロディーが、かろうじてフィリーの良心を保っています。⑪の「COLD,COLD WORLD」はミディアムのムーディーなナンバー。こういった曲はテディにしか歌えません。⑫の「GET UP,GET DOWN,GET FUNKY,GET LOOSE」もファンク。正直、あまり印象に残らない曲。⑬の「CLOSE THE DOOR」はフィリーソウル有数の名曲(R&B1位)。ミディアムの哀愁漂うムーディーなナンバー。キャッチーなメロディとリフ、そしてテディのいつもよりいくぶん押さえたヴォーカル。テディ・ペンの代表曲です。⑭の「IT DON'T HURT NOW」はスローバラード。
曲としてのクオリティーは2枚目の方が優れていると言えるでしょう。

TEDDY PENDERGRASS

Teddy Teddy
Teddy Pendergrass (1993/06/15)
The Right Stuff
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テディ・ペンのソロ第3作目。プロデュースはもちろん、ギャンブル-ハフにトム・ベル。
①の「COME ON WITH ME」から、もういかにもフィリーという感じのミディアムでムーディーな名曲。テディ・ペンに「COME ON WITH ME」なんて言われたらもう行くしかないでしょう、という魅力的な曲。②の「TURN OFF THE LIGHT」も同様の18禁ナンバー。「灯を消して、シャワーを一緒に浴びよう」なんて彼にしか歌えません。⑤の「IF YOU KNOW LIKE I KNOW」は一転してチョッパーベースが印象的な、マクファデン-ホワイトヘッドのペンによるマイナーファンク。⑥の「DO ME」はヒゲダンスの元ネタとしてあまりにも有名。志村けんがどの程度ソウルに精通しているか知りませんが、もし彼のアイデアだと言うのなら大したものです。ドリフのところでも書きましたが、ヒゲダンスのバックで流れるギターのカッティングの雑さはちょっとねぇ。⑦の「SET ME FREE」は、ゆったりとしたイントロから、一転して華麗なフィリーダンサーに突入するというクサい展開の曲。もうここまでくると様式美の世界ですよね。


Teddy Pendergrass - The Very Best of Teddy Pendergrass - Turn Off the Lights

TAVARES

ベスト・オブ・タバレス(CCCD) ベスト・オブ・タバレス(CCCD)
タバレス (2004/03/31)
東芝EMI
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70年代後半から80年代前半にかけて活躍した、5人兄弟のグループ。
①の「IT ONLY TAKES A MINUTE」(邦題:愛のディスコティック、なんという邦題、というかやりたい邦題
)は、いかにもこの時代のディスコという感じの曲。ただ、コーラスワークやパワフルなヴォーカルは素晴らしく、ただの便乗ディスコとは一線を画しています。⑦の「CHECK IT OUT」は美しいスローバラード。彼らのデビュー曲で、なんとジェリー・バトラーの作品です。彼らがまだディスコの洗礼を受けていない頃の作品。⑧の「TOO LATE」はスピナーズ用にトム・ベルが書いたような曲です。マイナー調のメロディーが美しいナンバー。⑨の「SHE'S GONE」はご存知ホール&オーツのカバーです。⑩の「FREE RIDE」はエドガー・ウィンターのカバーで、そのせいか少しロックっぽい感じです。
個人的には、ディスコに突入する前の彼らの方が好きです。ファーストアルバムのプロデュースは、ジョニー・ブリストルですが、もろジョニーって感じですし。


Tavares - Tavares Selected Hits

SYL JOHNSON

Diamond In The Ruff Diamond In The Ruff
シル・ジョンソン (2005/01/21)
ビクターエンタテインメント
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シル・ジョンソンは名盤がたくさんあるのですが、CDではこれが買いやすいでしょう。ハイから出された名盤です。バックはもちろんハイ・リズム。ウルフルズのトータス松本氏は、ハイ・サウンドはクセになると言ってましたが、まさしくそのとおりだと思います。ドラムでは、ハワード・グライムのほんのわずかに遅れてくる2拍、4拍のスネアの音。ジャジーで透明感のあるティニー・ホッジズのギター(弦をミュートしてアルペジオを弾くのは案外難しい)。モータウンの何でもかんでも詰め込むサウンドとは対照的の、独特の空間的なそれでいてシンプルでワビサビのあるサウンド。僕は大好きです。
シル・ジョンソンはある意味器用貧乏な人で、ブルースも歌えば、ファンクも歌う、本作のようにハイでも歌うということで、なんでもこなすのですが、逆に押しが足りない面もあり、そこが唯一の欠点だったりします。曲にも決して恵まれたとは言えない面もあります。
⑧の「PLEASE DON'T GIVE UP ON ME」はスローバラードですが、シルの甘いヴォーカルが素晴らしい曲です。アル・グリーンの艶かしさとは一味違った感じです。⑩の「I HEAR THE LOVE CHIMES」はマイナー調のブルース。シルにはこのような曲がよく似合います。語尾で力を抜きファルセットっぽくなるのが彼らしいところです。
彼のポジションとしては、O.V.ライトやオーティス・クレイよりはコテコテでなく、アル・グリーンよりは力強くといったところでしょうか。


THE SYMBOLS

The Best Part Of The Symbols The Best Part Of The Symbols
Symbols (2000/02/20)
インディペンデントレーベル
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60年代末に活躍したイギリスのソフトロック・コーラスバンド。
それにしてもこのコーラスのハモリはすごいです。③の「CANADIAN SUNSET」の冒頭のコーラスの音圧にはもう圧倒されるばかりです。そしてモータウンっぽいビートの効いた演奏。もう最高です。コーラススタイルはビーチボーイズやフォー・シーズンズ(⑥の「BYE BYE BABY」で彼らのカバーをしています)に近いのですが、メロディにほとんどR&R臭がなく、イギリス特有の憂いを帯びた感じが特徴的です。⑦の「SEE YOU IN SEPTEMBER」(テンポスのカバー)は、ハプニングスと競作した曲です。どちらのバージョンも甲乙つけがたい出来です。この曲は名曲。⑧の「THE GENTLE ART OF LOVING」は⑦と似た曲調ですが、少し哀愁を帯びたメロディが美しい曲。
彼らのコーラスグループとしての実力は、間違いなくイギリスのミュージシャンの中では屈指のものだと言えるでしょう。

suede

スウェード スウェード
スウェード (1993/04/01)
ソニーミュージックエンタテインメント
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このブログで、スウェードを取り上げると思った人は、まさかいないでしょう。実はスウェードのファーストは結構好きなんですよ。よく言われている、官能的なヴォーカルと歌うようなギター(⑧の「SLEEPING PILLS」のギターなんか絶品)、これにずっぽりとはまってしまったんですね。さらにブレットの強烈なロンドン訛。ヴェルヴェットのアングラさ、デヴィッド・ボウイのナルが入ったスター志向、マーク・ボランのような安っぽくてキャッチーなメロディーといったものをすべて受け継いでいる彼らに私は興味を覚えました。それに「chase the dragon」なんて言葉は彼らの曲で学びました。やはり、ブレットとギターのバーナード・バトラーの奇跡の融合なんでしょう。事実、次作で袂を別ってからの作品は、二人とも悪くはないんですが、何かが足りないような気がします。バーナードのソロも毒気がなく、スウェードの2作目以降もあのギターが失われてしまいました。彼らはTHE TEARSとして再結成したらしいです(評判がそれほど良くないこともあって聞いてないけど)。ボウイにしてもマーク・ボランにしてもそうですが、この手の戦略ってなかなか長続きをさせるのは難しいんですよね(日本のヴィジュアル系にしても然り)。

THE SUNSHINE COMPANY

Sunshine Company Sunshine Company
Sunshine Company (2005/10/03)
Rev-Ola
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60年代後半のソフトロックグループのベスト。
①の「UP UP AWAY」は言わずと知れたフィフス・ディメンションのカバー。フィフスほどのコーラスの音圧が無いのがさみしいところ。悪くはないです。②の「I NEED YOU」はビートルズ(ジョージ)のカバー。オリエンタルなムードがあり、これも悪くないです。③の「JUST BEYOND YOUR SMILE」はロジャニコのカバー。これはイマイチ。ロジャニコのようなコーラスのハモリがなく、ほとんどユニゾンで歌っているだけ(怒)。④の「RAIN」もビートルズの名曲。この曲は、ビートルズのアナザーサイドのベストと言っても良い曲だけにこのアレンジは悲惨。なんでこんなにきれいにまとめてしまうの、という感じです。飛ばし!。⑤の「HAPPY」はいい曲です。⑥の「I JUST WANT TO BE YOUR FRIEND」は、これも言わずもがなミレニアムの超名曲です。ただヴォーカルにイマイチ花がないのが欠点。⑦はメンバー作のオリジナルで、コーラスが美しいスローな曲。でも全体的に、バックの演奏の音量が小さいので、リズムのメリハリが効いていないんです。⑪の「IT'S SUNDAY」は、コーラスの広がりが美しいアップテンポのナンバー。⑫の「I,TO,WE AND BACK AGAIN」はソフトロックという文脈を離れて、フォークソングとして聞けば結構いい曲だったりします。⑬の「IF YOU ONLY KNEW」は、なんとカート・ベッチャーの曲。いかにもカートらしい美しい曲です。⑮の「DARCEY FARROW」はPPM風のフォークっぽい曲。⑮の「WITHOUT REALLY THINKING」はフォークタッチの好曲。途中でストリングが出てきてハッとさせられます。ママス&パパス風です。⑯の「LET'S GET TOGETHER」はクイックシルヴァー・メッセンジャー・サーヴィスに加入する前のディノ・ヴァレンテの曲。⑱の「WILLY JEAN」は、カントリーのホイット・アクストンの曲。21曲目の「WAYS&MEANS」はオリジナルですが、ボサノヴァの非常に美しい曲。メンバーでこのような曲が書けるのにどうしてカバー曲がほとんどを占めるのでしょうか。22曲目の「BOLERO」もオリジナルの佳曲。なかなかムーディーです。

THE SUNRAYS

Andrea Andrea
The Sunrays (1995/04/24)
Collectables
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ビーチボーイズのフォロワーと言われる彼らの、1966年の唯一のアルバム。
①の「ANDREA」を聞けば、彼らが単なるビーチボーイズの追っかけでないことがわかるでしょう。起伏のあるキャッチーなメロディー。ホーンを使ったアレンジ。分厚いコーラス。これは名曲です。②の「A LITTELE DOG AND HIS BOY」はソフト・ボサノヴァ。口笛が印象的です。③の「HAVE TO BE MYSELF」のコード進行なんかは、ビーチボーイズには見られない展開です。ヴォーカル面では、地声とファルセットの「つなぎ」部分が不安定で、たしかにブライアン・ウィルソンには勝てないですけど。⑦の「I LIVE FOR THE SUN」はヒット曲。番組名は忘れましたが、確かテレビの朝の番組のテーマで使っていました。キャッチーなメロディーとコーラスで、一度聞いたら忘れない名曲。⑨の「BETTER BE GOOD TO ME」は転調を繰り返すワルツ調の曲。
こうして聞いてみると、彼らの曲はキャッチーでありながら、複雑な構成、コード進行を持っていることがわかります。ぜひ一聴を。

THE SPINNERS

セカンド・タイム・アラウンド セカンド・タイム・アラウンド
スピナーズ (1995/11/01)
ユニバーサルインターナショナル
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フィラデルフィアより愛をこめて フィラデルフィアより愛をこめて
スピナーズ (2007/01/24)
ワーナーミュージック・ジャパン
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Mighty Love Mighty Love
The Spinners (1995/06/20)
Rhino
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フィリーソウルといえばスピナーズ。今日は彼らの全盛期の頃からピックアップした、スピナーズ三昧(三枚)です。
まず、セカンドアルバムの「2nd TIME AROUND」から。ファーストアルバムは正直言って、サウンド的に古くさい印象が否めませんでしたが、本作ではその欠点が払拭されています。また、リードもボビー・スミスの朴訥なヴォーカルから、素晴らしいG.C.キャメロンに代わっています。①の「IT'S A SHAME」はスティーヴィ・ワンダーらのペンによる、モータウンで最も素晴らしい曲のひとつです。弾むようなリズム、G.C.の徐々に盛り上がっていくヴォーカル、キャッチーなギターリフ。従来のモータウン風のサウンドから一歩抜け出した感もあり、すべての面において最高の曲です。②、③も同系統の好曲です。⑦の「SOULY GHOST」もハネたリズムが気持ちのいい曲。G.C.のヴォーカルも凄まじい。⑫の「CAN SING A RAINBOW/LOVE IS BLUE」はメドレー。後半の曲は、先日亡くなったポール・モリアが得意としていた曲ですが、なぜこの曲を演ろうとしたのでしょうか。まあ、ジェフ・ベックのよりは数段マシですが。
次は、彼らの最高傑作と言いますか、フィリーの最高傑作のひとつとも言える「SPINNERS」。3枚目のアルバムはフィリーでトム・ベルのプロデュースによるものです。リードも、G.C.が抜け、フィリップ・ウィンに代わっています。①の「I JUST CAN'T GET YOU OUT OF MY MIND」からフィリーサウンド炸裂です。フィリップの甘い声に、フィリーの華麗なストリングスはよく合います。のっけからキャッチーな曲です。②の「JUST YOU AND ME BABY」はミディアムのドリーミーなナンバー。コード進行がビートルズみたいでお洒落です。③の「DON'T LET THE THE GREEN GRASS FOOL YOU」は一風変ったジャジーな曲。ウィルソン・ピケットがフィリー録音した名曲ですね。④の「I COULD NEVER(REPAY YOUR LOVE)」はスローバラードの大曲。この曲を聴けば、フィリップ・ウィンの歌の上手さがよくわかります。G.C.の強烈なバリトンと比べるとやや地味な印象を受けますが、この温もり感と声の抜け方が素晴らしく思います。⑤はR&B1位を記録したキャッチーな名曲。このギターの音色、ラテンパーカッション、やや重いアール・ヤングのドラム。フィリーの美学の典型パターンがあらわれています。⑥の「ONE OF A KIND(LOVE AFFAIR)」もR&B1位の曲。ミディアムダンサーの佳曲です。⑦の「WE BELONG TOGETHER」はスローバラードです。イントロのファズギターが印象的です。全体のつくりやギターのディレイが、ドラマティックスの超名曲「IN THE RAIN」に似ています。⑧の「GHETTO CHILD」も歌詞は硬派ですがキャッチーな名曲(R&B4位)。ところどころ変拍子が入ります。トム・ベルはたまにこんな曲を書きます。たぶん、バカラックの影響でしょう。⑨の「HOW COULD I LET YOU GET AWAY」はミディアムの心和む曲。そして、⑩の「COULD IT BE I'M FALLING IN LOVE」。この曲もR&B1位の名曲です。おそらく、「IT'S A SHAME」と並ぶ彼らの代表曲と言っても良いでしょう。この曲にもフィリーのエッセンスがすべてつぎ込まれています。軽やかなラテンパーカッション、きらびやかなノーマン・ハリスのギターのオクターブ奏法…。どうでも良い話ですが、一時期、私のケータイの着メロはこの曲でした。
次のアルバム「MIGHTY LOVE」も良い作品です。①の「SINCE I BEE GONE」はボビー・スミスのリード。なかなかキャッチーなメロディです。イントロがクラシカルな印象を受けます。③の「I'M GLAD YOU WALKED INTO MY LIFE」はバラードの名曲。④の「I'M COMING HOME」はR&B3位の曲。前作での優雅さとは違って、もう少しタイトなサウンドとなっていますが、成功したとは言いがたい印象です。⑤の「HE'LL NEVER LOVE YOU LIKE I DO」はオージェイズが歌いそうな少し哀愁が漂うナンバー。⑥の「LOVE HAS GONE AWAY」はサイケ路線をひた走っていたころのテンプスみたいな中途半端な感じが否めない曲。⑧のタイトル曲はR&B1位の曲。前作のヒット曲の路線を受け継いだというか、柳の下のドジョウ狙いの曲です。トッド・ラングレンのカバーが有名ですね。
彼らのこの後のアルバム「PICKS OF THE LITTER」もバラードにいい曲があり、お勧めです。


Spinners - This Is R&B: 40 No. 1 Hits - Could It Be I'm Falling In Love


試聴とダウンロードは ↓




SPIRAL STARECASE

The Very Best of the Spiral Starecase The Very Best of the Spiral Starecase
Spiral Starecase (1995/04/01)
Taragon
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60年代末に、「MORE TODAY THAN YESTERDAY」というヒット(全米12位)を残して消えた一発屋のシングルを集めたベスト。一発屋といっても、残された曲はどれもキャッチーで素晴らしく、
①の「BABY WHAT I MEAN」はキャッチーな好曲。モータウンのフレーバーがほのかに香るビートとホーンセクション。ヴォーカルのパット・アプトンの声はキーが非常に高く澄んでいて、しかも伸びがあります。元スティクスのデニス・デ・ヤングを若々しくした感じの声質に似ていると言えるでしょう。2オクターブ上のC音を軽々と澄んだ声で出してしまいます。⑤は先ほどのヒット曲。ビートが効いた名曲です。サビでマイナーになるところなど、適度に哀愁があって、これは売れるのも当然です。このアルバムの中の曲は、どれも一度聴いただけで覚えてしまうようなキャッチーなものばかりです。特に、ハイトーンマニア(なんだそりゃ)の方にはたまらないグループだと言えます。
ちなみに、パット・アプトンのホームページはこちらです。
http://www.officialpatupton.com/


Pat Upton formerly of Spiral Starecase - The Things We Do for Love - 16 Love Songs of the Seventies - More Today Than Yesterday

SPENCER WIGGINS

The Goldwax Years The Goldwax Years
Spencer Wiggins (2006/04/03)
Kent Soul
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お待たせしました、スペンサー・ウィギンスです。ソウル好きの方ならば避けては通れない、偉大なシンガーです。本アルバムは、彼が60年代にGOLDWAXに残した宝物です。
①の「ONCE IN A WHILE…」。偉大なバラード。イントロの重い女声コーラス。そして、スペンサーの「アーーーー」という出だしの声。いなたく鳴り響くホーン。もう本当に天上の音楽とはこのことだなぁと思ってしまいます。②の「OLD FRIEND…」も3連バラード。オルガンの音が良いですね。③の「THE KIND OF WOMAN THAT'S GOT NO HEART」は古くさいシャッフルの曲。それにしてもこの人のヴォーカルって鋭いんですよね。④の「LONELY MAN」はマイナー調の異色作。Am→C→F→Amというコード進行が日本人の琴線を打ちます。⑨の「I'LL BE TRUE TO YOU」も素晴らしい出来です。⑩の「TAKE ME JUST AS I AM」もやはり3連バラード。スペンサーの硬質のヴォーカルが十二分に発揮された曲です。ソロモン・バークのヴァージョンと比較してみてください。⑪の「THAT'S HOW MUCH I LOVE YOU」も必殺の3連バラード。サビでマイナーになるところなんて、まるでサザンソウルお決まりの泣きのパターンなのですが、スペンサーの熱いヴォーカルに涙するのみです。⑫の「I NEVER LOVED A WOMAN」はアレサ・フランクリンで有名ですが、彼も負けていません。⑬の「WHO'S BEEN WARMING MY OVEN」はジャンプナンバーですが、中音域での彼の声の良さが非常によくわかる逸品です。シャウトも良し、中音域の響きも良し、ファルセットも良しと、文句のつけようがないシンガーです。⑮の「SOUL CITY U.S.A.」は彼の代表曲のひとつです。タイトなジャンプナンバーですが、シャウトしまくりの凄まじい曲です。⑯の「SWEET SIXTEEN」はスローブルース。B.B.キングの持ち歌ですね。⑰の「UPTIGHT GOOD WOMAN」もやっぱり必殺の3連バラード。後半で半音上に転調するところや、サビのブレイクなんて、本当にゾクゾクします。名曲中の名曲です。⑳もどうしてやはり3連バラード。曲の良さはイマイチ劣りますが、ヴォーカルの素晴らしさは十分堪能できます。
最近は、ソウルの名盤でもすぐに廃盤になってしまいます。悪いことは言いません。このアルバムだけはその前にぜひ購入しておくことをお勧めします。

SPANKY & OUR GANG

想い出の日曜日~ベスト 想い出の日曜日~ベスト
スパンキー&アワ・ギャング (1998/12/09)
ユニバーサルインターナショナル
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60年代後半に活躍したソフトロックグループのベスト盤。女性1人と男声3人のメンバーです(途中でメンバーが増えますが)。
①の「SUNDAY WILL NEVER BE THE SAME」は全米9位まで上がったデビュー曲。あのジェリー・ロスのプロデュースです。とてもキャッチーなメロディーに美しいストリングスと分厚いコーラスが印象的で、ヒットするのもむべなるかなという感じです。③の「LAZY DAY」はメジャーとマイナーとを行ったり来たりするメロディーが斬新。しかもとてもキャッチーです。中間のダバダバコーラスも美しい。⑥の「IT AIN'T NECESSARILY BIRD AVE.」は③のB面の曲ながら素晴らしい出来。ボサノヴァ調でまるで映画の一幕を想起させるメロディー。前期の最高傑作です。⑦の「LEAVING ON A JET PLANE」はアメリカの「橘家円蔵」ジョン・デンヴァーの曲でPPMも歌っていました。⑧の「EVERYBODY'S TALKIN'(うわさの男)」は後に「七色の声を持つ男」ニルソンがヒットさせる名曲です。⑨の「SUNDAY MORNING」はマイナー調の悲しげなメロディが美しい名曲。後半のごった煮のところがビートルズの「YOU KNOW MY NAME」を連想させます。作者のマーゴ・ガーヤンによるバージョンもとても素晴らしいので、こちらもぜひ聞いてみてください。⑩の「LIKE TO GET TO KNOW YOU」はジャジーでお洒落な曲です。⑬の「ANYTHING YOU CHOOSE」は、今までの作風とは大きく変化してR&B超の曲。とは言ってもやはりコーラスは分厚く、彼らの個性がしっかりと出ています。しかも、ヘッドホンで聞いていると、コーラスの声があっちからもこっちからも聞こえてきて、位相などにもかなり気を使っていることがわかります。まさに「コーラスの壁」で、その音圧に飛ばされそうになります。⑮の「YESTERDAY'S RAIN」。これもどれだけコーラスをオーバーダビングしたのでしょうか。右からも左からもセンターからもコーラスがやってきます。⑯の「HONG KONG BLUES」は細野晴臣師匠のカバー(「泰安洋行」のアルバムだったかな)でも有名です。さすが師匠、お目が高い。⑰の「WITHOUT RHYME OR REASON」は涼しさただようボッサな曲。ギロとラテンパーカッションに複雑なコード進行、分厚いコーラス。こういう曲に弱い。
彼らのコーラスワークはソフトロックグループの中ではピカイチと言えるでしょう。

SOUL CHILDREN その3

ファインダーズ・キーパーズ ファインダーズ・キーパーズ
The Soul Children (1994/10/21)
ソニーミュージックエンタテインメント
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ホエア・イズ・ユア・ウーマン・ ホエア・イズ・ユア・ウーマン・
ソウル・チルドレン (1994/10/21)
ERJ
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予告どおり、今日もやってまいりましたソウル・チルドレン。今日は5作目の名盤「FINDERS KEEPERS」と6作目の「WHERE IS YOUR WOMAN TONIGHT?」です。
まず「FINDERS KEEPERS」から。プロデュースはDON DAVIS。前作までよりもキャッチーでモダンな曲が並んでいます。①の「HIGHWAY」。冒頭を飾るにふさわしいキャッチーなアップナンバー。良い曲です。②の「GOOD-BYE IS NOT THE ONLY WORD」。ミディアムテンポの心地よい曲。③の「WE GOT TO GET OUR THING」もアニタとジョンの掛け合いによるメロウな傑作。アニタからジョンにリードが変るときに転調するところがもう何とも言えないほどかっこいいのです。それでいてバックは「フリーソウル」ファンが喜びそうなサウンド。でも、ヴォーカルの深さはそんじょそこらのフリーソウルなんかでは味わえません。④の「IF YOU MOVE I'LL FALL」ですが、もとはデルズの曲。3人のリードが織りなす「歌のバトルロイヤル」に悶絶すること間違いなしの超傑作バラードです。ジョンの爆発しそうな超絶シャウトと甘いバックにどうにかなってしまいそうです。⑤の「A LITTLE UNDERSTANDING」は迫力満点のファンク調の曲。ギロが鳴ったりしていて、ちょと変ったサウンドです。⑥の「MIDNIGHT SUNSHINE」もミディアムの名曲。ノーマンのリードがサビでジョンに交代します。それにしても、ジョンのヴォーカルは聞いているだけで心拍数が上がり、コメカミの血管がバクバクしてきます。⑦はタイトル曲。キャッチーでエキサイティングな曲です。⑧の「I'M JUST A SHOULDER TO CRY ON」はノーマンのリードによる曲。ジョンの激烈なヴォーカルとは対をなす彼の歌もとても魅力的です。途中の「パパパパー」というコーラスがエボニーズっぽいと思うのは私だけでしょうか。⑨の「ONE BROKEN HOME FOR SALE」はアニタのリードによる3拍子の曲。歌詞はとても悲しい内容なのですが、とてもドリーミーな曲で個人的にとても気に入っています。スタイリスティクスの「BREAK UP TO MAKE UP」という曲によく似ています。むしろソフトロック的といっても良いかもしれません。もうこのアルバムは、一時期狂ったように聞いていました。
次は、「WHERE IS…」です。このアルバムもとても素晴らしく、サウンドもモダンであるため、今の若い人が聞けばソウルチルドレンのなかではこのアルバムが一番良いという人も多いのではないでしょうか。前作に比べてヴォーカルよりサウンド面での志向が強くなった感じです。プロデューサーは、再び原点に戻ってデヴィッド・ポーター。①の「HEAD ON COLLISION」はマイナーファンクの傑作。②の「IF YOU WANT A WOMAN THIS TIME」はアニタのリードによる甘いバラード。③の「TAKE ME-MAKE ME」は少しディスコっぽい感じがします。さすがの彼らもディスコ化の波とは全く無縁ではいられなかったのでしょう。④の「YOU GOT ME OVER」も美しいバラード。シタールが全編的に使われています。⑤の「(YOU'RE A)DIAMOND IN THE ROUGH」はファンクナンバー。なかなかタイトなサウンドです。⑥はタイトル曲です。コード進行や全体の雰囲気などが「PEOPLE GET READY」に似ています。⑧の「YOU DON'T NEED A RING」は秀逸なバラード。⑩の「MERRY-GO-ROUND」は意味深な歌詞の曲です。キャッチーな曲です。このアルバムは全般的に、ジョンのヴォーカルが前作までと比べておとなしい印象があり、それを目当てにしている人にとっては、やや物足りない感じを受けます。

SOUL CHILDREN その2

Friction/Best of Two Worlds Friction/Best of Two Worlds
The Soul Children (1993/06/01)
Stax
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ソウル・チルドレンの第2弾です。「FRICTION」は4作目、「BEST OF TWO WORLDS」は2作目となります。
さて、これも名盤と評判の高い「FRICTION」から。プロデュースと曲はSTAXのホーマー・バンクスによります。①の「I'LL BE OTHER WOMAN」。この曲はしっとりとした名バラードでヒット(R&B3位)しました。②の「WHAT'S HAPPENING BABY」は語りから入る切ないバラード。STAXにしてはフィリーっぽい、後期デルフォニックス(「TELL ME THIS IS A DREAM」に影響されたか)を髣髴させる洗練された音使いです。③の「CAN'T LET YOU GO」はマイナー調のミディアムナンバー。これは「裏切り者…」の頃のオージェイズという感じです。④の「IT'S OUT OF MY HANDS」はマイナー調のミディアム。なかなか渋い曲です。⑤の「JUST ONE MOMENT」も美しいオーソドックスなバラード。⑥の「WE'RE GETTIN' TOO CLOSE」はアップテンポのキャッチーな佳曲。⑦の「LONE MAKES IT RIGHT」はやはり語りから入るバラード。なかなか歌に入らずかなり「語り」で引っ張ります。
次に「BEST OF TWO WORLD」は、ギターのジミー・ジョンソン、ベースのデヴィッド・フッド、ドラムのロジャー・ホーキンスと、マッスル・ショールズのミュージシャンがバックを演奏しています。ただ、楽曲の印象がどれもイマイチなのは否めません。彼らには、タメの効いたMG'Sのノリのほうが似合います。そこそこキャッチーな曲が多いのですが、どうしても決め手に欠くので印象に残らないのです。⑪の「GIVE ME ONE GOOD REASON」は、むしろソフトロックっぽい曲。⑯の「FINISH ME OFF」は三連バラード。サビの展開がちょっとクサすぎますが、なかなかの曲。

ソウル・チルドレンは個人的にとても好きなので、第3弾もいってしまいます!!!

SOUL CHILDREN

The Soul Children/Genesis The Soul Children/Genesis
The Soul Children (1990/08/01)
Stax
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1969年発表のファーストと1972年発表のサードをカップリングしたCD。
一枚目はすべて、HAYES-PORTERの曲およびプロデュース。①の「I'LL UNDERSTAND」は傑作バラード。男声2人、女声2人という編成を活かし、コーラスよりも、4人の掛け合いのリードを重視するというスタイルは他のグループには見られないものです。特に、ジョン・コルバート(後のJ.ブラックフット)の熱いヴォーカルは最高です。②の「MOVE OVER」もやはり素晴らしいバラード。ジョンのオーティス直系のヴォーカルが涙を誘います。③の「WHEN TOMORROW COMES」も秀作バラード。この頃になると、曲調やコード進行も、3コード主体のものから脱却して、かなりモダンなものになっていることがわかります。⑤、⑥の「THE SWEETER HE IS」は、タイトルからもわかるとおり、シェルブラ・ベネット、アニタ・ルイスの女性ヴォーカルが主体のバラード。⑦から⑪のB面はアップテンポの曲が並びますが、印象はいまひとつ。ただ、⑨の「TAKE UP THE SLACK」はマイナー調のキャッチーな好曲といえるでしょう。⑩の「SUPER SOUL」は、サム&デイヴが歌いそうな曲調。
さて、名盤の誉れ高い二枚目。①の「I WANT TO BE LOVED」。エンチャンターズのカバーですが、これがもう素晴らしいとしかいいようのない曲。4人が代わる代わるリードを取っていきます。中でも闇夜を切り裂くようなジョンのヴォーカルは鳥肌が立ってきます。また、女声のブルーノートの微妙な音程の使いまわしは絶妙です。⑬の「DON'T TAKE MY SUNSHINE」はメロディラインも美しいバラード。⑭の「HEARSAY」は彼ら最大のヒット。いかにも当時のSTAXというようなサウンドで、ジョニー・テイラーの名曲「WHO'S MAKING LOVE」を髣髴させるギターのカッティングがキャッチーな逸品です。この微妙にハネたノリは、まさにこの時期のSTAXならではのものです。⑮の「ALL THAT SHINES AIN'T GOLD」も傑作バラード。キーがCの曲なのですが、サビ前に一小節だけ入るF♯mが不思議な感じを醸し出しています。⑯の「IT HURTS ME TO MY HEART」はクールでジャジーな曲。今の耳で聞くと、この曲が好きという人が多いのではないでしょうか。Cm→F7という「サイケコード」の曲です。⑰の「I'M LOVING YOU MORE EVERY DAY」も素晴らしいバラード。⑱の「JUST THE ONE」はジョニー・テイラーのかなり初期の曲です。最後の「GET UP ABOUT YOURSELF」も⑭と同系統のキャッチーな曲です。彼らにしては珍しくコーラス重視の曲となっています。ジョンのヴォーカルが明らかにJ.B.を意識しているのがおもしろいですね。

SOLOMON BURKE

ベスト ベスト
ソロモン・バーク (1998/07/25)
イーストウエスト・ジャパン
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元祖ソウルシンガー、ソロモン・バークが1960年代にATLANTICに残した作品のベスト。しかも年代順です。
①の「JUST OUT OF REACH」は、彼の最初のヒット(R&B7位)。カントリーっぽい感じで、正直今聞くとタルいのは否めません。それに比べ②の「CRY TO ME」は、よりディープな路線変更が当たった名曲。N.Y.の名プロデューサー、バート・バーンズのペンによる曲。バークのゴスペルっぽいヴォーカル。「クラッ、クラッ、クラッ…」という後のオーティスにも影響を与えるスタイル。話はかわりますが、この1960年代初頭の録音って、どれもヴォーカルの高音の音が割れたように聞こえるのは、どういう理由なんでしょうかね。③の「DOWN IN THE VALLAY」もディープな名曲。ただ、バックの演奏が後のMG'Sなどに比べると、タメがないというか軽いんですよね。オーティスもカバーしていました。④の「I'M HUNGING UP MY HEART FOR YOU」もバラードの佳曲。ドン・コヴェイの曲。⑤の「IF YOU NEED ME」はもともとウィルソン・ピケットの曲。この頃になると、バークのヴォーカルにやっとバックの演奏がついてきたような気がします。女声コーラスも「重い」感じが最高。⑦の「YOU'RE GOOD FOR ME」も出だしのブルーノートからして渋い曲。「イェー、イェー、オホホ…」というコーラスが、ファルコンズの名曲「I FOUND A LOVE」そのまんまなのが気になりますが。⑧の「GOODBYE BABY」もこれまた名曲。ギターのマンドリン的なアルペジオやトレモロが、いかにもバート・バーンズ・サウンドです。⑨の「EVERYBODY NEEDS SOMEBODY TO LOVE」はヴォーカルと掛け合いのコーラスのレスポンスが、教会での説教を髣髴させる素晴らしい曲。⑩の「THE PRICE」もディープな名曲。このころのバークのディープさはすごい。⑪の「GOT TO GET YOU OFF MY MIND」からはそれまでのディープな唱法ではなく、ややソフトに歌っています。しかし、ソフトなのですが「深い」。サム・クックへの追悼を歌った曲だそうです。⑭の「TAKE ME」も3連の美しいバラード。歌詞の中にウィルソン・ピケット、オーティス・レディング、ジョー・テックスが登場してきます(杉真理みたい…)。⑯の「SOUL MEETING」はアーサー・コンレイ、ドン・コヴェイ、ベン・E・キング、ジョー・テックスとが一同に会しレコーディングした曲で、チャリティーのさきがけとなった画期的な企画です。収益金は黒人住宅の改築に使用される予定だったそうです。
バークは今でも現役で活躍しており、その少し憂いを帯びた歌声はとても魅力的です。

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SMOKEY ROBINSON & THE MIRACLES

The Ultimate Collection The Ultimate Collection
SMOKEY ROBINSON & THE MIRACLES (1998/02/10)
Motown
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それまでの黒人音楽のブルーノート偏重から西洋音楽の音階を取り入れた斬新なメロディとコーラス。キャッチーなメロディー。モータウンの第一号アーティスト。スモーキーの地声とファルセットの境界がわからない無段変速のようなハイトーンボイス(これはブライアン・ウィルソンと双璧を成します)。歌詞もすばらしく、ボブ・ディランも一目置いていたとのこと。これは、そんな彼らのベスト盤です。しかも、オリジナルアルバム未収録の曲もあります(②など)。
①の「GOING TO A GO-GO」(R&B2位)。ナックの「マイ・シャローナ」を思わせるドラムのイントロから始まる名曲です(というか、ナックがパクっているぞ)。まだ、初期ともあってドゥーワップ色が強いですが、メロディの独創性はすでに表れています。モータウン独特の、バック演奏がいろいろごった煮のように詰め込まれている感があり、素晴らしい曲となっています。②の「I SECOND THAT EMOTION」はいろいろなアーティストがカバーしている超名曲ですね(R&B1位)。もうこの曲になるとブルーノートはほとんど使われていません(一部ホーンで使われていますが)。③のヒット曲、「SHOP AROUND」(R&B1位)もドゥーワップ調で、ベースもウッドなんですが、やはりメロディがキャッチーなので聞けてしまいます。⑤の「BAD GIRL」は1959年に録音された彼らの古いドゥーワップ曲。スモーキーのファルセットがたまりません。⑧の「YOU REALLY GOT A HOLD ON ME」(R&B1位)はビートルズやゾンビーズなどのカバーでも有名ですね。スモーキーの方がキーが高いので、ビートルズ(ジョン)はAのキーですが、スモーキーはCのキーとなっています。⑨の「MICKEY'S MONKEY」(R&B3位)は素晴らしいダンス曲。O.V.ライトのカバーも素敵でした。⑪の「OOO BABY BABY」(R&B3位)はバラードの名曲。1965年の作品ですが、後のフィリーに通じるような華麗さを持っています。この時代にこんなメジャーセヴンス調の曲をつくることができるなんて絶句してしまいます。⑬の「MY GIRL HAS GONE」(R&B3位)もミディアムのややせつなさが漂う好ナンバー。コーラスが素晴らしいです。⑭の「THE TEARS OF A CROWN」(R&B1位、POP1位)はもはや古典です。イントロのフレーズが印象的です。⑯の「THE TRACKS OF MY TEARS」(R&B2位)もジョニー・リヴァースをはじめ、やはりいろいろなアーティストにカバーされている名曲です。⑲の「MORE LOVE」などを聞いていると、彼らがフィリーソウルに与えた影響は非常に大きかったのではないかと思われます。


Smokey Robinson & The Miracles - Smokey Robinson & The Miracles: Gold





SHIRLY BROWN

Woman to Woman Woman to Woman
Shirley Brown (1990/10/25)
Stax
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1974年にSTAXからリリースされたデビューアルバム。プロデューサーはジム・スチュワートとアル・ジャクソン。ベースはドナルド・ダック・ダン、鳴り物はメンフィス・ホーンズという豪華なラインナップです。
①の「IT AIN'T NO FUN」はフレデリック・ナイトのペンによるヒット曲。シャーリーの、のびのびしたヴォーカルが素晴らしく、なんと地声でオクターブ上のB♭まで出しています。③の「STAY WITH ME BABY」はバラード。これもじっくり歌をきかせる素晴らしい出来です。④の「I'VE GOT TO ON WITHOUT YOU」はブルージーな曲。彼女はブルーノートの使い方が非常に上手いのが特徴的です。そして⑤の「WOMAN TO WOMAN」。R&BチャートでNO.1になった不倫ソングですね。夫の愛人へ電話をかけるという内容です。⑧の「I CAN'T GIVE YOU UP」はボンゴが印象的なマイナーコードの曲。ただ、この曲はちょっとフィリーを意識しすぎているような気がして、サザンソウルのいい意味での泥臭さが薄れているような気がします。
よく言われるように、彼女のヴォーカルスタイルがアレサに似ているとはあまり思いませんが、バラードにこそ彼女の声がより生かされるような気がします。

SILK (PRELUDE)

Smooth as Silk Smooth as Silk
Silk (1996/02/28)
Unidisc
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1977年にプレリュードレーベルから発表。プロデューサーはデヴィッド・ポーター。「シルク」いうグループは他に、フィラデルフィアにもいましたし、90年代にも出現しましたが、すべて別物です。
ディスコ全盛の時代の割には古典的な美しいコーラスとサウンドを聞かせてくれるグループでした。①の「I KNOW I DON'T DO YOU WRONG」はいきなりスローの美しいバラード。②の「GIVE YOURSELF TO ME」はハネたリズムが気持ちいいナンバー。こうして聞いてみると、とても3人組とは思えないほどの音圧のあるコーラスを聞かせてくれます。③の「LEAVING ME」もコーラスが最高に美しい曲です。④の「CALL ME」はフィリーっぽいつくりの曲。曲もなかなか素晴らしいのですが、「本物」と比べるとやはりちょと演奏が薄いのが否めません。⑤の「LIVE WHILE YOU CAN」はシャイ・ライツっぽいソフトなファンクナンバー。この曲ではリードがファルセットで歌います。⑥の「PARTY Pt.1+2」は再びアップテンポの曲。リードは、オージェイズやブルーノーツなどと違って、迫力のあるバリトンではなく線がやや細い印象を受けますが、その分彼らのコーラスワークはピカイチです。非常によくハモっているコーラスです。⑦の「AIN'T NO NEED OF CRYING」はコーラスよし、グルーブよし、メロディーよしの非常にクールなナンバー。サビで転調するところなんか最高にかっこいいのです。⑧の「ON FIRE」はおもしろい曲。「恋はあせらず」みたいなベースで始まり、ギロの音でアクセントを取っていきます。⑨の「LET HIM GO」はスローな甘茶っぽい曲。「おきまり」のシタールが感傷を盛り上げてくれます。
彼らは当時ほとんど注目されなかったみたいですが、こうして聞いてみるとかなりの本格派で、間違いなく本作はとても素晴らしいアルバムだと思います。

SAM & DAVE

ベスト・オブ・サム&デイヴ ベスト・オブ・サム&デイヴ
サム&デイブ (1991/02/25)
イーストウエスト・ジャパン
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ソウルデュオといえば、彼らの右に出る人はいないでしょう。このアルバムはよくまとまったベスト盤。
何と言っても⑥の「HOLD ON,I'M COMIN'」。そして⑫の「SOUL MAN」。特にギターのスティーヴ・クロッパーが最高です。あのテレキャスから繰り出される6度のダブルストップフレーズは、私自身何度コピーしたことか。また、歌に入ったところのかっこいいカッティング。さらに、ドナルド・ダック・ダンのハネハネのベース。サザンソウルのバッキングのエッセンスが、この「SOUL MAN」一曲に嫌というほど詰め込まれています。この曲はブルース・ブラザーズのカバーでも有名ですね。ちなみに「HOLD ON」は、アメリカのプログレ・バンド、カンサスがなぜかカバーしていました。
それにしてもサムのヴォーカルは熱い。⑪の「SOOTHE ME」は先ほどのサム・クックのカバーです。サム・クックも相当ハイトーンのヴォーカルですが、このサム・ムーアはもっとハイトーンで、オリジナルよりもキーを上げて歌っており、さらに最後に転調してもっとキーを上げるという信じられないことをやりのけています。



Sam & Dave - The Best of Sam & Dave

SAM COOKE

The Man and His Music The Man and His Music
Sam Cooke (1990/10/25)
Urban Heritage
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ソウルミュージックの表紙は必ずこの人。野球で例えると、何気なくボールを投げているんだけれど、実際は160キロ以上出ているというようなすごい人(わかるかなぁ)。
ベスト盤としては、やはりこれが一番充実しているでしょう。そのほかに、ハーレムスクエアとコパのライヴは必携です。
彼の曲は、一聴するだけでは、ミスドのBGMでかかっているオールディーズのような感じがするのですが、何度も聞くうちにその素晴らしさ、すごさがわかってくるのです。ハースキーな声、軽く発声しているようで2オクターブ上のC音を軽々と歌いこなすハイトーン、声の「抜き」方、本当に歌が上手い人です。
そして、極めつけは最後の曲、「A CHANGE IS GONNA COME」。何万とあるソウルの曲の中で、ベスト10に間違いなく入る名曲中の名曲。歌詞も、マイノリティーとしての黒人の立場を歌ったという点で、ビリー・ホリデーの「奇妙な果実」、カーティス・メイフィールド(インプレッションズ)の「PEOPLE GET READY」などと並んで、永久にその名が刻まれるでしょう。ボブ・ディランの「風に吹かれて」にインスピレーションを受けてこの曲をつくったといいます(そういえば、コパのライブでこの曲をカバーしていました)。私は、この曲を聴くたびに涙が流れるのを禁じえません。まさに、全人類必聴の曲、義務教育で履修するべき曲だと思います。

SALT WATER TAFFY

ファインダーズ・キーパーズ(紙ジャケット仕様) ファインダーズ・キーパーズ(紙ジャケット仕様)
ソルト・ウォーター・タフィー (2005/12/21)
BMG JAPAN
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1968年発表の彼ら唯一のアルバム。
①の「FINDERS KEEPERS」のイントロは、カジヒデキが在籍していたbridgeというバンドの曲でパクられていたのは記憶に新しいところです。ドリーミーなメロディにさわやかなコーラス、そしてハンドクラップと、キャッチーなツボをすべて押さえたようなドリーミーな曲です。ちなみに同じく「ファインダーズ・キーパーズ」という世界遺産的名盤が、サザンソウルの大御所、ソウル・チルドレンにありますが、まったく関係ありません。②の「WHENCE I MAKE THEE MINE」はイノセンスのカバー。約2分の曲ながら、ものすごいキャッチー。③の「THE GIRL IS BROKEN」もややモコモコした弾むベースとシタール、ホーンの組み合わせが魅力的な必殺ナンバー。⑥の「YOU BABY」はメジャーとマイナーを行ったりきたりするドリーミーなナンバー。バリー・マンのペンによる曲。⑦の「STICKS AND STONES」はポップスの王道を行くような名曲。⑧の「SOMETHING TO LIVE FOR」は変ったコード進行の曲。しかしこれが素晴らしくドリーミー。どうしてこんな曲が書けるのでしょうか。⑨の「SUDDENLY I SEE」はボサノヴァっぽい曲。これも複雑なコード進行でコピーは困難を極めます。⑩の「LOVE DON'T KEEP ME WAITING」はマイナー調の美しいメロディを持つ曲。
長らくCD化が待たれた作品だけに、早く手に入れないと廃盤になってしまうかもしれません。「FINDERS KEEPERS」(早い者勝ち)ですよ。

RUFUS THOMAS

Funky Chicken Funky Chicken
Rufus Thomas (1991/03/01)
Stax
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1970年発表。この時、このファンキーおじさん、ルーファスは53歳というから大したものです。
①の「DO THE FUNKY CHICKEN」は大ヒットしました。江戸屋猫八ばりのニワトリの声帯模写から入る曲です。本当にこの人は芸達者です。曲も文句ないファンキーさです。②もこれまたファンキーな曲。ルイ・ジョーダンがオリジナルです。③の「SIXTY MINUTE MAN」はドゥーワップグループのドミノズの曲。約7分間にわたって、ワンコードの同じリフが延々と続くへヴィーなファンク。ルーファスのめちゃくちゃな何を言ってるかわからないヴォーカル?がラガマフィンラップを髣髴させます。タイトル通り16分も続いたらどうしましょう。⑤の「BEARCAT」はご存知「ハウンド・ドッグ」のパロディ。間奏のところで例の声帯模写が登場します。オリジナルよりのどかな感じがします。⑥、⑦の「OLD McDONALD HAD A FARM」と⑧の「RUFUS RASTUS JOHNSON BROWN」も楽しいファンク。⑨の「SOUL FOOD」はカントリーシンガーのDALLAS FRAZIERの曲。⑪の「THE PREACHER AND THE BEAR」は得意の「動物ネタ」。楽しいR&R調の曲。
ルーファスはコメディアン、アクターなどの顔もあるそうで、ユーモアのセンスもあります。本作はとにかく楽しいアルバムです。


Rufus Thomas - Do the Funky Chicken - Single

RUFAS & CHAKA KHAN

マスタージャム(紙ジャケット仕様) マスタージャム(紙ジャケット仕様)
ルーファス・フィーチャリング・チャカ・カーン (2004/03/03)
ユニバーサルインターナショナル
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1979年発表。ルーファスの前身は「AMERICAN BREED」というソフトロックバンドで、ロジャニコなどの曲もカバーしていたのですが、RUFUSになってからは黒人メンバーの加入などもあって、次第にファンク色が強くなっていきました。本作はクインシー・ジョーンズによるプロデュースで、80年代におけるブラコンの先駆けとなった名盤です。ちなみに、ルーファスはギターとベースが黒人という、MG'Sとは逆の布陣となっています。また、ギターのトニー・メイデンもリードをとる曲がありますが、彼も結構歌えます。
本作の基調はフュージョン・ファンクなので、チャカのヴォーカルが前面に出てくることはありません。バックとヴォーカルの力関係が対等になってきたのはこの頃からでしょう。チャカのヴォーカルもそれを十分意識したもののように聞こえます。サウンドはいかにもクインシーといえるもので、同時期に発表された同じく彼のプロデュース作のマイケル・ジャクソン「OFF THE WALL」に共通する感じがあります。

ROXY MUSIC

Siren Siren
Roxy Music (2000/03/14)
Virgin
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ロキシー・ミュージックの名盤と言えば「アヴァロン」が有名ですが、このアルバムもロキシーの中期における名盤と言えるでしょう。なんといってもメロディがキャッチーです。初期の頃はあえてキャッチーさを避けていた印象がありましたが、このアルバムではもう全曲が口ずさめるほどの美しいメロディを持っています。ブライアン・フェリーは不思議な人で、ブラックミュージックへの造詣も深い一方で、クラシカルな要素も持っており、また一見ダンディな紳士に見えるのですが、ステージでは奇行を繰りひろげるという「分裂的な」性格を持った人です(デヴィッド・ボウイや田中康夫に通ずるところがあります)。また、ギターのフィル・マンザレラも語られることはあまりなく、目立つこともないギターリストですが、ニューウェーブ系のギターリストの先駆けとしてもっと評価されてもいい存在だと思います。
本作はブライアンのダンディな耽美主義が全開の作品です。耽美主義と言えば、ヴェルヴェット・アンダーグラウンド系や、4AD系(コクトー・ツインズなど)、スウェード系などいろいろありますが、ブライアンの耽美主義は、それとは全く別の耽美主義なのです。耽美主義の人はナルシストが多いので、どうしても視野が狭くなり、よい作品を継続して発表することが難しいのですが、ブライアンはこのアルバムを発表した後、ロキシー・ミュージックを一時解散させており、その意味ではその選択は正しかったのだと思います。
話は変りますが、彼ら最後のアルバム「アヴァロン」は本当に独特のワビサビがあって、素晴らしいアルバムです。最近の曲はどのアーティストのどの曲も「歌詞を詰め込む」傾向にありますが、この「アヴァロン」は歌詞の行間を大事にしているといいますか、まさに俳句のような深みを持つ作品だと思います。少ない歌詞でいかにイメージを膨らませることができるか、ことばの余韻をどれだけ残すことができるか、このアルバムはそのことに挑戦したような構造を持っています。


Roxy Music - Siren


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THE ROYALETTES

The Elegant Sound of the Royalettes The Elegant Sound of the Royalettes
ロイヤレッツ (2001/03/03)
インディペンデントレーベル
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1966年発表。いわゆるガールグループに位置づけられる彼女たちですが、モータウン系のシュープリームスやヴァンデラスなどとは全く違って、もっとソフトロック寄りのアプローチを指向しています。プロデューサーがテディ・ランダッツォということもあるでしょう。彼女たちが黒人であるということをあまり先入観として意識せずに聞けば、この作品がソフトロックの名盤であるということが理解していただけるでしょう。
特に③の「GETTING THROUGH TO ME」は名曲としか言いようのない曲です。メジャーセヴンス系の美しくて甘いメロディは最高です。このアルバムは全体的に、曲のクオリティは高いのですが(さすがテディ)、ロイヤレッツのコーラスにもう少しオシが足りないのが難点と言いましょうか、のどごしの良すぎる水のように、ひっかかるところが少ないのが残念なところです。

ROTARY CONNECTION

Rotary Connection Rotary Connection
Rotary Connection (1996/11/19)
MCA
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ミニー・リパートンも在籍していたことのある、白人黒人混成のコーラスグループ。本作は1968年発表。
①の「AMEN」は、シタールのイントロに続き「アーメン」のコーラスが繰り返されます。その後に分厚いコーラスの歌が続きますが、トップの女声のキーが異常に高いのはやはりミニーなのでしょうか。②の「RAPID TRANSIT」は30秒あまりのクラシカルな間奏曲。本作では、曲と曲の間にこうした間奏曲が挟まれています。③の「TURN ME ON」。やはりミニーと思われる異常にキーの高いコーラスがバックに聞こえてくるのですが、その音がまるでテルミンという楽器にそっくりなのです。なんか、コーラスグループがプログレをやってみたという感じの曲です。⑤の「LADY JANE」はもちろんストーンズのカバー。ストリングスにパーカッション、ホーン、シタールに分厚いコーラス、そしてミニーの肉声テルミンとこのグループはもう何でもアリです。プログレッシブ・サイケデリック・ソフトロックと言えるでしょうか。⑥の「LIKE A ROLLING STONE」はもちろんボブ・ディラン。原曲の先入観を排除すれば、結構面白い曲になっています。それにしても、ミニーはどこから声を出しているんでしょうか。⑦の「SOUL MAN」はご存知SAM&DAVEのヒット曲です。原曲で聞くことができるスティーヴ・クロッパーのめちゃめちゃかっこいいダブルストップのギターリフによるイントロが、ハープシコードになっています。こいつはちょっといただけない…。⑨の「DIDN'T WANT HAVE TO DO IT」は、先日のロジャニコのところでも取り上げました。これはロジャニコに軍配が上がります。ちょっとタルすぎます。しかも感情入れて歌いすぎ。⑪の「MEMORY BAND」は幻想的な展開、転調を繰り返すメロディ、子供と思われる「La,La,La…」の歌がひたすら続くだけの歌なのですが、これがかなり名曲。例によってシタールとミニーのテルミンも効果的。本アルバムのハイライトです。⑫の「RUBY TUESDAY」はふたたびストーンズ。うーん、何かなー、って感じです。正直、この曲はイマイチ。⑬は、本アルバムの各曲を数秒ずつカットして編集したもの。
それにしても本作は、本当に奇妙な、しかしそれでいて美しいアルバムであると言えるでしょう。

RON DANTE

ブリングス・ユー・アップ ブリングス・ユー・アップ
Ron Dante (1998/06/20)
コロムビアミュージックエンタテインメント
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裏方のセッションシンガーとして主に活躍していたロン・ダンテの初のソロアルバム(1970年発表)。オリジナルアルバムのジャケットは、ロンの笑顔が写っているはずなのに、これはどうしたことでしょう。シヴォレーのボンネットが写っているその訳は?
全体的にポップスのツボを的確に押さえた感じの曲が多く、好感が持てるアルバムです。しかも全曲オリジナル。メロデイアスで、コーラスも美しく、しかもビートが適度に効いているという、ソフトロックファンにはたまらない内容となっています。また、使われている楽器の種類も非常に多く、サウンド面でも飽きさせません。④の「JOANNA」はボサノヴァ調の美しいバラード。⑤の「SWEET TASTE OF LOVE」はサビに入ったところから展開される16分ビートの開放感がたまりません。⑧の「MUDDY RIVER WATER」は一部変拍子ですがポップで力強い曲。
これだけポップな曲がそろったアルバムですが、あまり売れなかったそうです。ロンはこの後、カフリンクスのファーストアルバムに参加することとなります(これも名盤)。

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